ここから本文です

姿勢の悪い人が、体幹トレーニングをやっても無駄になる。走りのプロ・杉本龍勇

2017/10/30(月) 11:30配信

VICTORY

2017年9月9日、桐生祥秀(東洋大4年)が9秒98を記録し、ついに「9秒台時代」に突入した日本陸上男子100メートル界。前回は、かつて自身もバルセロナ五輪で400メートルリレーのアンカーを務め入賞を果たすなどの活躍を見せ、現在はフィジカルトレーナーとして岡崎慎司(レスター/イングランド)をはじめとするプロサッカー選手に「走り方」を伝授している杉本龍勇氏、そして、カイロプラクティックの第一人者であり、顎関節症の治療をメインに本来体が持つ運動機能を改善させることによって、多くのアスリートのパフォーマンス向上に寄与してきた藤原邦康氏に、日本陸上界の進化についてお話を伺った。今回はさらに、日本スポーツ界に横たわる問題について切り込んでいく――。

桐生や山縣の走り方は完成されているのか?

藤原邦康(以下、藤原)「杉本さんにぜひお聞きしたいのは、足が速くなるメソッドは、中殿筋を生かした走り方をしている桐生選手らの技術の延長線につながるかということです」

杉本龍勇(以下、杉本)「そう思います。中殿筋を動かすとなると股関節の可動域が広がるので、そこは当然できていないとあんなに速く走れないですからね」

藤原「そういう観点でいうと、彼らは完成されつつあるんですか?」

杉本「彼らの技術ですか? んん……。股関節周りの可動域が広いというのは大前提なんですが、その後ちゃんと股関節を動かしているかどうかというのが難しいところなんですよ。もしかしたら膝を主導で動かしていて、その副次的な作用として股関節の可動域が大きく広がっている可能性もあるわけで、どこから動き出したかということが大事になります。桐生選手はこれまで、どちらかというと膝を使って動かしている印象が強かったんですが、9秒98を出したレースでは痛めていたハムストリングを気にしていたために、股関節から動かしやすくなっていたのかもしれないですね」

藤原「科学的な分析や解析というのは、日本でも進んできているんですか?」

杉本「進んできてはいますよ。フィードバックもしてもらえますし、大きな試合には日本陸連や体育大学の研究者が張り付いていることが多くなりましたので、科学的な分析がしやすい状況にはなっていると思います」

1/4ページ

最終更新:2017/10/30(月) 12:40
VICTORY