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東京五輪の準備は、本当に間に合うのか? おときた駿都議に訊くスポーツ都政

10/30(月) 11:40配信

VICTORY

東京で56年ぶりに開催される夏季オリンピックまで、あと2年。この大会を成功させるためにも、インフラの整備は不可欠だ。しかし、その進捗状況はあまり表になっていない。世界中が注目する4年に一度の国際スポーツイベントを迎える準備は進んでいるのか。「都民ファーストの会東京都議団」初代幹事長を務め小池百合子氏の東京都知事就任をバックアップし続けたものの先日離脱、現在は再び「かがやけTokyo」所属の都議会議員として活動する音喜多駿(おときた・しゅん)氏に話をうかがった。(インタビュー:澤山大輔[VICTORY編集部] 編集:VICTORY編集部 写真:荒川祐史)

■風呂敷をどうたたむのか、見えてこない

――東京五輪が2年後に近づいていますが、スポーツ行政がどうなっているのか分からない人が大半だと思います。東京五輪の準備は順調に進捗しているのでしょうか?

音喜多駿(以下、音喜多) 東京都という観点から見ると東京オリンピックが最大の課題ですが、難しいのは五輪組織委員会との関係です。これは森喜朗さんがトップを取り、影響力を発揮してきました。しかし都民、国民の方からは五輪組織委員会が何をしているか、正直わからなかったと思うんですね。そこに思いっきり手を入れたのが小池(百合子)さんです。数千億円費用で済むと言っていたものが、いつの間にか2兆円、3兆円と膨れ上がっていました。そこに切り込んだところは良かったと思いますし、さまざまな会場を見直し、節約できる部分も出てきました。ただ、今はその広げた風呂敷をどう畳むのかがなかなか見えてこない、というのが実情だと思っています。

――予算削減という話が出ましたが、これは小池さんの成果なのですか?

音喜多 3会場の見直しをして、結局3会場そのままになったのですが、入札内容や整備費用を見直して400億円節約できる部分は出てきました。いろんな批判もありますが、見直しをして財源が出てきたというのは一歩前進かなと思います。ただタイムロス等があったので、そこは総合的に判断しなければいけません。最終的にプラスだったのかどうかは、これから判断されることだと思います。

――千葉県の森田健作知事が、改めて都知事に東京五輪・パラリンピックの都外競技会場の仮設整備費について注文をつけているという報道がありました。実際、他県との連携という部分はスムーズに行っているのでしょうか?

音喜多 先日ちょうど築地の移転問題のニュースが流れていて、小池さんが移転時期を「来年9月か10月に行なう」というアナウンスをしていました。でも、事業者の方に聞くところによると、事前に調整が十分にされていない。「まずアナウンスをしてから交渉に入る」というのが、最近の小池知事のやり方です。

――外からもそう見えますが、実際にそうなのですね……こうした手法は一般的なものなのでしょうか。

音喜多 政治の世界のやり方として、一般的ではありません。良くいえば「しがらみにとらわれない」のかもしれません。でも、例えば市場移転問題にしても「築地も豊洲も両方使う」ということになったのは、一体誰が決めているのか?小池知事が一人で決めているとも思えないし、どこのブレーンが入れ知恵をしているんだ、という話になるわけです。そこが不信を招く原因にもなっています。

仮設施設の負担は誰がやるのかという話も、小池さんは「数百億の負担を考えている」とか「自治体にお願いする」とか、いろんなことを議会とか記者会見で言ってしまうと。こうしたやり方に対し、非常に不安がっている地方自治体の方がいらっしゃるのは事実だと思いますね。

――本当に根回しされていないんですね。

音喜多 そうしたやり方が、突破力になるときもあります。しかし、やはりそうじゃない部分もある。東京都で完結するイベントであれば都知事がリーダーシップをとって、ある意味強引に進めていくこともありかもしれません。しかしこれだけの国際規模のイベントになると、そういったやり方に一抹の不安がつきまとうことは確かです。

――築地市場問題は、東京五輪にも関わってきます。どう関わってくるか、改めて解説をお願いできますでしょうか?

音喜多 大きく分けて2点あると思います。1つは築地市場が東京五輪のデポ、輸送拠点になる場所であること。オリンピックは4000~5000台の車が出入りすると言われていますから、23ヘクタール(東京ドーム約5個分)のあの土地がないと、スムーズに選手たちを移動させる輸送拠点がつくれません。

そしてもう1つが環状2号線の道路ですね。あれは国際公約の招致ファイルにも入っているもので、各会場に選手を輸送していく重要な動線になるわけです。それが完成しないと、移動に非常に時間がかかりますし、そもそも東京都が招致の際に約束した『コンパクトオリンピック』とか『移動に時間がかからない』ということが失われ、大会運営にも非常に大きな問題を残すのではないか。この2点が大きくあります。特に築地の再開発については、先日一回目の会議が行われましたが、扇形をした建物部分を残した方がいいとか、僕から見たらあまり現実性がないアイディアがたくさん出てきてしまった。「輸送拠点にする」って言ったのに、そんなものを残したら足かせになりませんか、と。

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最終更新:10/30(月) 11:40
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