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なぜ「えっちなの」は、いけないの?

2017/10/30(月) 15:54配信

BuzzFeed Japan

「えっちなのは、いけません」

そう言われると、何となくそうだよねという気もする。真っ正面から反論しようとしても、なかなか大変だ。

でも、よく考えたら「なんで」いけないんだっけ。

セックスそのものは禁止されていない……というか、セックスがないと人類が滅んじゃう? でも、ビデオやマンガなどで「わいせつな表現」をするのは、法律で規制されている。

それって、なんでなんだっけ……。疑問を探っていくと、そこには長い歴史がありました。【BuzzFeed / 阿部結衣子・渡辺一樹】

「日本には、もともと性に関するタブーの発想がありませんでした」

こう語るのは、法政大学准教授の白田秀彰さん。

白田さんはことし、えっちな表現はいけない、というルールがどう生まれ、どう変遷してきたのかをまとめた本『性表現規制の文化史』(亜紀書房)を書いた。

「えっちはダメ」という発想は、日本でいつ始まったのか?

答えを先にいうと、それは「明治維新から」だ。

幕末、軍事力で開国を迫られた日本は、西洋諸国に追いつくため、西洋化を推し進めた。洋館を建て、洋服を着て、ダンスパーティを開いた。

「明治維新で日本は、西洋のシステムを無理やり輸入しました。そのとき、それと一体になっていたキリスト教的な性観念も、一緒に入ってきたのです」

キリスト教的な性道徳といっても、ひとくちには想像しにくい。ただ、このとき輸入された価値観は、かなり「上品」に振り切ったものだった。

明治維新が起きた1870年代のヨーロッパは、ヴィクトリア朝の時代。つまり、貴族がこぞって上品であることを競い、性道徳が最も厳しい時期だったのだ。

一方で、日本の庶民には、盆踊りで乱交するような風習も、まだ残っていた。

そうなると、西洋諸国に「立派な国」と思われるためには、そういう風習は、どうにかしないと……という発想になる。

白田さんは著書でこう述べる。

“国外からの視線に対しては、外国人に「日本人は、キリスト教徒ではないけれども高い道徳を備えている」ことを説明し宣伝するため、国内においては近代国家と国民皆兵のもとで、いっぱしの国民を育てあげるため、というわけです。”
(『性表現規制の文化史』より)

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最終更新:2017/10/30(月) 15:54
BuzzFeed Japan