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県境越えご当地ナンバー「渡良瀬」、実現なるか 群馬と栃木が手を組むワケ

2017/10/30(月) 16:09配信

乗りものニュース

森高千里さんの歌にもなった「渡良瀬」 市民の愛着深い?

 国土交通省が、自動車用ナンバープレートに新たな地域表示名を追加する、いわゆる「ご当地ナンバー」の導入地域を募集しています。

【地図】「渡良瀬」ナンバー導入を検討している4市の位置

「ご当地ナンバー」は、2006(平成18)年に「仙台」「金沢」など19か所、2014(平成26)年に「世田谷」「杉並」など10か所が誕生しています。今回はその第3弾で、国土交通省が「図柄入りナンバープレート」を導入すべく、各地域から図柄案を募集することに合わせて、この図柄入りの交付を前提として新たな地域表示名も追加募集するものです。

 2017年5月に今回の募集が開始されて以来、東京都江東区の「江東」、島根県出雲市、奥出雲町、飯南町の「出雲」など、全国で導入に向け応募が検討されています。そのなかで、10月26日現在において唯一、県をまたいでいるのが、群馬県太田市、桐生市、みどり市、栃木県足利市による「渡良瀬(わたらせ)」です。名称は、これら地域を流れる渡良瀬川に由来します。

 群馬県と栃木県ではナンバープレートを管轄する陸運支局も異なりますが、県をまたいでの導入を目指す理由について、4市のうち唯一栃木県に属する足利市の企画政策課に聞きました。

――「渡良瀬」ナンバーを検討する理由は何でしょうか?

 市内の中心を流れる渡良瀬川の名がナンバープレートに表示されたり、それにまつわる風景が図柄入りナンバープレートに描かれたりすることで、地域振興や観光振興につながると考えています。渡良瀬川は各学校の校歌にも登場しているほか、それに架かる渡良瀬橋を題材にした森高千里さんの歌「渡良瀬橋」がJR足利駅、東武足利市駅の発車メロディーになっているなど、市民の愛着も深いものです。

「渡良瀬」は足利の「宿願」?

――県をまたいで検討するメリットはあるのでしょうか?

 今回の募集には、市区町村単独では車両登録台数10万台以上、どこかの自治体と連携した場合は5万台以上という条件があります。本当ならば「足利」ナンバーにしたいところですが、足利市の登録台数は7万2000台ですので、単独では応募できません。太田、桐生、みどりの群馬県内3市で先行して8月くらいから検討しており、9月中旬に太田市さんからそのことをご連絡いただき、当市も混ぜてもらうこととなりました。

――群馬の3市で計画された「渡良瀬」をなぜ足利市でも検討するのでしょうか?

「渡良瀬」ナンバーは以前に足利市で検討されたことがあります。足利市で登録された車両には現在、「とちぎ」ナンバーが交付されていますが、これは1999(平成11)年に隣接する佐野市に自動車検査登録事務所が新設されて交付が始まったものです。この際、佐野市は「佐野」ナンバーを主張し、当市では「渡良瀬」や「両毛」を、近隣他市町でも別の名称を主張するなどして、結局「とちぎ」に落ち着きました。その経緯があることも、今回の動機になっています。

――今後、どのようなスケジュールで国に申請していくのでしょうか?

 群馬県内3市ではすでに応募に向けた住民アンケートを実施しており、当市はこれから急いで実施します。市民の意向を踏まえ、11月下旬から12月初頭のあいだに県を通じて導入移行表明書を国土交通大臣に提出します。

※ ※ ※

 県をまたいで交付されているナンバープレートは、現状では山梨県と静岡県にまたがる「富士山」のみです。これも、「ご当地ナンバー」の第1弾募集では複数の陸運支局にまたがることから見送りになり、第2弾募集で導入に至っています。

「『富士山』が最初に申請されたときは、国としても県をまたぐナンバーを想定していませんでした。ナンバーの情報は取り締まりや自動車税のシステムなどに利用されることもあり、第1弾募集では見送りとしましたが、システムを扱う各方面と調整したうえで、第2弾で認めました。今回の募集に際しても、県をまたいだナンバーの申請は想定しています」(国土交通省道路局)

 足利市は今後、「渡良瀬」ナンバー導入の意向を市民に問い、その結果によっては見合わせることもあるといいます。現在のところ栃木県内の他自治体が合流する動きはないそうです。

 なお既存地域名の図柄入りナンバープレートは2018年10月ころから、新たな地域名のナンバープレートは図柄入りのものも含め、2020年度から交付される予定です。

乗りものニュース編集部

最終更新:2017/10/30(月) 17:19
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