ここから本文です

海底観測網データを鉄道の地震対策に活用へ 検知時間をさらに短縮

10/30(月) 16:26配信

乗りものニュース

海底地震計情報を活用し地震検知体制を強化へ

 国立研究開発法人防災科学技術研究所(防災科研)と公益財団法人鉄道総合技術研究所(鉄道総研)、JR東日本、JR東海、JR西日本は2017年10月30日(月)、海底に整備した地震・津波観測網のデータを鉄道の地震対策に活用するための相互協力協定を、同日付で締結したと発表しました。

【画像】新幹線で構築されている従来の地震防災システム

 防災科研は、日本列島沖で発生する地震や津波をリアルタイムに観測するため、東北沖の日本海溝沿いに「日本海溝海底地震津波観測網」(S-net)を、南海トラフ地震の想定震源域に「地震・津波観測監視システム」(DONET)を整備し、運用しています。

 一方、JR3社も、地震を早期に検知し新幹線を緊急停止させるシステムをそれぞれで構築。海岸や鉄道沿線に地震計を配置し、地震が発生するとその地震計のデータと、気象庁の緊急地震速報により、列車を緊急停止させる警報を発報します。さらに送電も止めて、大きな揺れが来る前に列車のブレーキがかかる仕組みになっています。

 今後は、協定締結に基づき、防災科研と鉄道総研の共同研究成果であるデータ伝送方式を利用して、海底地震計のデータが鉄道事業者に配信されます。

JR各社で地震検知時間の短縮を見込む

 JR東日本では、システム整備が完了した房総沖観測網の地震観測データを、11月1日(水)から同社のシステムに導入。従来のJR東日本のシステムと比べて、最大で約20秒の検知時間短縮が見込まれるといいます。

 JR東海は2019年4月に導入予定。同社によると、地震検知時間が、南海トラフの場合は最大約15秒、日本海溝の場合は最大約30秒短縮される見込みといいます。

 JR西日本は2019年春の運用開始を目指すとしており、システム整備により山陽新幹線での地震検知が、最大で約10秒短縮される見込みです。

 防災科研の海底地震・津波観測網データが、鉄道事業者の地震対策に直接活用されるのは、この取り組みが初めて。防災科研は「我が国の防災力向上に向けて、地震津波観測網を活用した成果の社会実装をさらに進めてまいります」としています。

 なお、JR3社では、防災科研の海底地震・津波観測網データ活用と並行して、各社の地震防災システムを改良。緊急停止警報を発報するまでに要する推定時間を、最短2秒から1秒に縮めるなどの取り組みを進めます。

乗りものニュース編集部

最終更新:10/30(月) 18:52
乗りものニュース