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循環備蓄食料以外も 減災・海老名市の取り組み

10/30(月) 16:02配信

カナロコ by 神奈川新聞

 非常食を特別に用意するのでなく、多めの備蓄を食べた分だけ補充する「ローリングストック(循環備蓄)」。一般家庭での災害時の備えに有効として推奨される手法を、神奈川県海老名市では食料以外に応用している。自前のガソリンスタンドで公用車に備蓄燃料を給油するほか、赤ちゃん誕生祝いに贈る紙おむつを防災備蓄倉庫に一時保管。「いざのときに、無理なく一定量が確保できる」という。

【写真】自前のガソリンスタンドで給油する職員

 自前のガソリンスタンドは、東日本大震災の際に燃料不足となった教訓から誕生した。同市今里1丁目で廃業する業者から施設を買い取り、市消防本部の出張所兼給油施設として整備。2013年3月に運用を始めた。

 ガソリン2万リットル、軽油4万リットル、灯油2万リットルを備蓄。品質を保つため、100台以上ある公用車と消防関係車両42台が利用する。燃料が半分を割る前に必ず立ち寄って給油する。現在は臨時的任用職員がいる月・水・金曜日に“営業”。時間外の緊急時には消防本部職員が対応している。

 備蓄倉庫にある紙おむつを誕生祝いに使う取り組みは、15年4月にスタート。出生届が出た新生児と生後3カ月未満での転入児の全員が対象で、市役所に出生・転入届を出すと子育て支援課の窓口でSサイズの紙おむつ(82枚入り)が3袋渡される。また4カ月検診を受けると会場でMまたはLサイズが3袋もらえる。

 子育て支援事業費として年間約1千万円を計上。16年度は出生(転入)と検診合わせて2168人に計6504袋が贈呈された。贈呈用の紙おむつのうち、非常時用として840袋は常に備蓄倉庫に保管。これは半年ごとに入れ替えて、お祝い用として使う。

 いずれも備蓄分を日常的に使っていくことで、品質を保ち内容・分量をチェックできる利点がある。海老名市では「水や食料と同様、無駄なく使うという視点からもローリングストックを進めていく」という。