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農連市場とともに“卒業” 商売48年「えっちゃん姉さん」が語る思い出

2017/10/30(月) 7:45配信

沖縄タイムス

 今月末に閉鎖される那覇市樋川の農連市場で約48年間、野菜の卸売りを続けてきた大城悦子さん(71)=浦添市=は31日、店子(たなこ)人生に幕を下ろす。夫婦二人三脚で始め、半世紀近く通い続けた市場の魅力を「チュイシージー(助け合い)」と語り、「農連市場にはとにかくウチナーンチュの心がある。助け合ってきたから今がある」と感謝する。

【写真】早朝から人が行き交う農連市場の風景(2015年末撮影)

 今帰仁村生まれで20歳の時、同村出身の9歳上の故長信さんと結婚。1970年に新車を買い、夫婦二人三脚で農連市場での商売を始めた。今帰仁から大宜味村や東村を回って野菜を仕入れて市場で売り、帰りは市場で仕入れた野菜を恩納村辺りから商店に卸した。毎日5時間、往復した。

 4~5年後にはほろの2トントラックを購入。荷台にベッドに変わる棚を作り、クーラーも取り付けて、子どもたちを寝かしつけたこともある。北部との往復は市場近くに移り住む87年まで続けた。「市場は台車を押せないほどにぎわい、どれだけ野菜があってもすぐに売れた。寝る間が本当に惜しかった」と懐かしむ。

 一番の楽しみは店子仲間でつくる「農連おとめ会」でのユンタクや模合、旅行だった。30年以上前に結成され、多いときには30人ほどいたメンバーも現在は6人。「えっちゃん」「えっちゃん姉さん」と呼ぶ仲間たちは「あと10年はできるよ」「辞めないで」と引き留めるが、「卒業するよ。気持ちはルンルンよ」と明るく返す。

 お世話になった農家や仲間、常連客に感謝しながら、「卒業して、自治会で活動したい。パソコンも習いたい」と夢を膨らませた。(社会部・浦崎直己)

長年商売、感謝の祈り

 農連市場で27日、農連中央市場事業協同組合(備瀬守代表理事)の関係者と店子(たなこ)ら約30人は僧侶の読経とともに手を合わせ、長年商売を支えてきた市場に感謝を伝えた。隣接する新施設「のうれんプラザ」での商売繁盛や安全を祈願した。ニンジンやジャガイモ、キャベツなどの野菜、バナナやスターフルーツなどの果物を、お酒などと一緒にささげた。

 備瀬代表理事は「祈りは市場へのけじめ。65年の重みを感じた。プラザでの祈願が、おばぁたちのやる気になってほしい」と期待。市場で40年以上営業を続ける福元末子さん(67)は「まだどれぐらいにぎわうのかわからなくて不安もあるけど、がんばるさー」と話し、店を開く場所にお酒を振りかけ清めていた。

最終更新:2017/10/30(月) 15:45
沖縄タイムス