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就任記者会見 森保監督会見要旨

10/30(月) 21:25配信

ゲキサカ

 東京五輪の男子日本代表監督に就任した森保一氏が30日、都内のJFAハウスで行われた就任記者会見に日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長、西野朗技術委員長とともに出席した。

以下、就任記者会見要旨

●田嶋幸三会長
「台風一過の素晴らしい晴天の中で、記者会見ができることをうれしく思っています。そして、多くの方に集まって頂いたことに感謝申し上げます。森保くんを初めて見たのは30数年前の山梨国体でした。国見高校の小峯先生率いる国体の長崎県選抜に一人だけ別の高校から入っていることで、非常に新鮮に映り、それが初めての出会いでした。マツダでのプレー、日本代表でのプレー、そしてトレセンコーチとしてサッカー協会でともに働いたこと。そして、Jリーグのクラブに行き、サンフレッチェ広島での素晴らしい活躍。西野技術委員長の方から、森保氏を五輪の監督にということを伺ったときに、ある意味、新鮮でうれしい気持ちになった。2020年の五輪は非常に重要で注目もされ、プレッシャーも掛かるポジションだと思います。彼は真面目で、人の苦労を知ることができ、しっかりと最後までやり抜く力を持った人物です。まさに2020年の五輪の監督に相応しいと思う。私たちサッカー協会は彼を全面的にサポートし、五輪で最大の成績を収められるよう、バックアップしていきたいと思います」

●西野朗技術委員長
「12日に監督不在の中で会見をさせて頂き、就任のあいさつをさせて頂きました。あれから数日経ちますが、先日、五輪まであと1000日という報道もあった。その報道を少し気になってか、森保監督がヨーロッパの方から戻ってきてくれました。そして、正式に今日、こうやって会見をさせて頂いて非常にうれしく思っています。五輪が日本で開催されることで、本当にうれしく思うし、ワクワクする。サッカーだけでなく他競技の若い世代に、現在たくさんのアスリートが世界で成果を上げて、さらに1000日後、東京で大きな成果を上げるのではないかと期待されています。我々、男女サッカーも五輪の成功の一助となるように、そこでたくさんのアスリートとともに輝いて、成功の一助になりたいと思っています。そういう中で、森保監督に、若手の育成の経験もたくさんあるし、そういう経験を生かして、国内のトップリーグでも成果、実績を上げた指導者に託して、多くのアスリートとともに、輝く選手たちを育ててチームを強化してほしいと思っている。五輪だけでなく、その先のサッカー界を見据えないといけないし、大きなステップとして、ぜひ東京五輪で、輝くと言えば、胸に何かを掲げなければ輝かないので、そういう大きな目標を持って、必ずそういう成果を上げてくれると期待しております。サッカー界にとっても大きなイベントだし、日本のスポーツ界にとっても大きなイベントに対して、森保監督にぜひ力を注いでほしいと思うし、チームだけではなく、我々協会もしっかりとサポートして、皆さんのサポートを頂きながら成長していきたいと思っています」

●森保一監督
「この度、2020東京五輪サッカー男子日本代表監督に就任させて頂く、森保一です。よろしくお願いします。自国開催である東京五輪で監督をするのは、結果を求められると思うし、重責ですが、我々を支援して下さる皆さまが喜んで頂ける結果を出せるように全身全霊を持って五輪に向かって行きたいと思っております。これから、私とともに戦ってくれる選手たちは、多くの指導者に育てられて、おそらく今はJクラブとか、あるいは大学に所属している選手が多くなると思いますが、たくさんの指導者や関係者の皆さんが育ててきた選手だと思っています。さらに良い経験を積んでもらい、これまでの指導者の方々、関係者の方々の努力が花咲くように、そして選手がさらに伸びて皆が喜んで下さるように、結果を求めながら選手の成長の助けになれるような仕事をしたいと思っています。今後ともよろしくお願い致します」

――五輪監督に就任を決意した中で魅力を感じた部分は?
森保 「まず2つのことを考えています。1つは日本代表ですが、アンダー世代の代表だということ。これまで関わってきた指導者の方々が大切に育ててきた選手たちを、さらに上の舞台に引き上げられるように関わっていきたい。日本代表で言えば、ロシアのW杯もそうですが、その次の2022年のカタールのW杯にも多くの選手に行ってもらえるように育成していきたいと思うし、彼らの普段プレーする場、国内のJリーグや大学、あるいは所属チームで活躍してくれること。所属チームに喜んで頂けるような、そういう選手の育成ができたら嬉しいと思います」

――1968年メキシコ五輪の銅メダルが日本の最高成績だが、どこを目標にして取り組んでいくか。
森保 「結果については、先ほど西野技術委員長が言われたとおり、自国開催で皆さんが望まれているのは間違いなくメダル獲得だと思うので、メダルを獲得できるように頑張っていきたい」

――どのようなサッカー、そのようなスタイルを目指すのか。
森保 「抽象的にはなるが、やりたいサッカーはチームの組織力を持って連係、連動をして攻守に関わるサッカーをしたいと思います。もちろん、個の成長を促すために、個という部分に目をつむってはいけないと思いますが、日本人の良さである連係、連動をして、攻守ともに全員が戦うサッカーを目指して行きたいと思います」

――(田嶋会長へ)今後、どういった全面支援を考えているのか。
田嶋 「私の方から『何をやれ』『これをやれ』と押し付けるつもりは一切ありません。まずは森保監督が何を望むか、何をしたいか。そして、どんな大会があるのか。すでに12月にはタイでの試合があり、1月にアジアのU-23の大会があります。出なければいけないもの、そして森保監督が『こういうトライをして、2020の五輪までにつなげたい』ということを、できる限りバックアップしていきたい」

――(西野技術委員長へ)96年アトランタ五輪の指揮を執っていた経験から、森保監督にアドバイスすることは?
西野 「20年前に経験をさせてもらって、当時とはまったく環境も違うし、サッカー界が変わった中でのアドバイスは、昔とは違うと思うけど、当時は五輪の本戦に出るという、28年間出れなかった中で出場できて、プロサッカーが始まったばかりで、世界に出るだけではなくて、そこで成果を出したいという中で、いろんなことを協会にも要求させてもらった。JOCに対しても『勝つためにはこうしたいんだ』という要望をたくさん出して、サッカー界はプロができたからと言って、いろんなことを言ってくるなとか。要望を出し過ぎたとは思わないけど、そう思われました。それだけ、いろんなサポート受けた中で、選手の養成、マッチスケジュール、強化遠征に対して要求しないと、世界で、というところは思ったので、森保監督にも、ぜひたくさん。クラブから代表になって環境が変わるし、思い通りにいかないところもあると思うので、そういう要求をストレートに挙げてほしいと思う。当時は本当に、この監督はちょっと変、おかしいじゃないかとか散々言われたけど、いろんなことをやる中で奇人だ、変人だと思われるのが成功に結び付くとか。最初はいろんなことが、おかしいこともあると思うけど、それをぜひストレートに出して、サッカーのスタイルもそうだと思う。クラブから代表に変わったら、自分でセレクトできて、理想のサッカーに持って行けるわけなので、色んなプレッシャーから惑わされることなく、自分のスタイルというものを、よくラージを知っている監督なので、いろいろラージの選手たちの特長がここだということで、自分のスタイルをブレずにやってほしい。要求をストレートに出してもらう中で、一緒にチームを高めていきたい。いろんな予算のことは会長に全部お話して(笑)。本当に全面的にバックアップして、過去の経験をされた五輪の監督の意見を聞いたりしながら、最高の東京五輪のサッカーを表したいなと思っています」

――広島で実績を上げたスタイルがあるが、そのスタイルを踏襲したり、土台にしていくのか。
森保 「これから選手を見極めながら柔軟に考えていきたいと思います。広島でやっていたことはあるけど、そこはもちろん自分の中でベースとして持っていながら、形だけではなく、個人戦術、グループ戦術といったところ、サッカーの原理原則はどんな形でも同じだと思うので、そういうベースアップをしながら、最良のスタイルで戦っていきたいと思っています」

――東京五輪世代の選手に求めるもの、メッセージは。
森保 「東京五輪を目指す選手たちにメッセージですが、夢を持ってチャレンジしてほしいと思っています」

――現役時代にドーハの悲劇を経験して、当時どんなことを感じ、考えたか。
森保 「夢が目の前まで実現できそうな、という思いを持ちながらピッチ上にいた。最後は守りに入るとやられるという経験をしてきた中で、選手たちには思い切ってプレーしてもらうことと、守備はもちろん大切ですが、守備だけを考えて、ボールを奪うことを考えていなければ守備にはならないというところが最後の局面で出ていたと思うので、そこは伝えていきたいと思っている」

――ドーハの悲劇の経験が、指導者人生の中で影響はあったか。
森保 「私自身、あの経験で何が変わったかというと、あれ以上悲しい思いをすることはないだろうなと思っているので、いろんなプレッシャーの中でもプレーさせてもらったし、悲しい思いというよりも、すべてをポジティブに考えていくことを教えてもらえた経験だった。どん底とか、心が折れそうになるとか、ひょっとしたら折れることもあるかもしれないけど、それでも選手として、さらに成長していかなければいけない。続けていかなければいけないということを教えてもらえた経験なので、常に前向きに前進すること、そこを選手にも自分の経験から伝えていきたいなと思います」

――東京五輪世代の選手に感じている可能性。今後はU-17の若い世代を引き上げていきたいのか、それとも原石を発掘したいのか。どのような選手選考をしていきたいか。
森保 「選手選考については、五輪でプレーできる世代の選手であれば年齢、実績に関係なく、五輪に出場できる扉が開かれている。まずは五輪に出たいという選手には、そこを目指して、夢を持ってひたむきに頑張ってほしい。選手選考は今まで世代の代表で関わってこられた監督の方々にいろんな情報を頂いたり、協会、Jリーグ、大学、高校などからも情報を頂きながら、選手が埋もれて終わることなく、少しでも多くの選手に成長してもらえるように、さらにチームが強くなっていくような、そういう選考をしたいと思う。固定してというよりも、この年代はおそらく、これからの2年半という期間の中で、今トップの選手でも、いろいろと力関係が変わっていったりという年代だと思うので、より多くの選手を見ながら、選手の個人の力、チーム力を引き上げていきたいと思います」

――ヨーロッパを回ってきて気付いたこと、取り入れたいものはあるか。
森保 「サッカーを取り巻く環境が、私が見たのはクラブチームだけど、本当に、おらが街のチームを応援している雰囲気が普段の生活の中にあって、スタジアムではチーム同士の対戦があるわけだが、それよりもホームチームのサポーターが、相手チームの選手やサポーターに対して、この街に来たら勝てると思うな、という雰囲気を作って、ピッチとスタジアムが一体感を持って、試合が行われているなということを、スタジアムでも感じてきました。まずは我々のチームが、皆さんに応援してもらえるように頑張っていくこと。頑張るということを感じて頂いたファン・サポーターの方々に、さらに応援して頂いて、日本の力として試合ができるように、相手を上回って行けるようにということ。まずは、こいつら頑張っているから応援してあげたいなと感じて頂けるようにやっていきたい。それはヨーロッパに行って感じました。選手個々の自己主張と野心と、成功をつかみ取るためにお互いがしのぎを削っているというところは、練習を見ていても、話をさせてもらっても感じたことがあるので、そういうところは、これから見ていく選手たちにも伝えていきたい」

――今回、就任するにあたって田嶋会長や西野技術委員長にリクエストしたことはあるか。また、新たなお願いは?
森保、「コーチングスタッフについては今、お願いしているところです。新たなお願いについては、出てきたら、その都度お願いしていきたいと思いますが、お二人からも話がありましたが、すでに全面的にバックアップしてもらっていると思うので、心強くやっていきたいと思います」

――コーチングスタッフは、どういった方々と戦っていきたいか。
森保 「Jリーグはシーズン中で、そこで仕事をしている人の名前も挙げさせて頂いているので、今ここで、シーズン中のチームに迷惑を掛けるのはよくないと思うので、挙げるのは控えさせて頂きたい」

――広島で選手、監督で活躍して得た経験や培ってきた知識を、どのように生かしていきたいか。
森保 「マツダ、サンフレッチェでプレーして、指導者で経験させて頂いた。まずは無名な選手で、指導者としてもゼロからのところ、もちろん協会でもトレセンでコーチとして、いろんなことを教えて頂きましたが、広島で選手としても指導者としても、人としても育てて頂いたという思いがあります。そういった意味で、私が選手を育成すること、また偉そうに教えるということは言うつもりはないですが、いろんな意味で、サッカー選手としても、人としてもプラスになったなと思ってもらえるような、自分がしてきてもらったことを私が預かる選手にもできればと思います。そして私は長崎出身で、広島で人生を一番長く過ごしてきたが、その2つの都市は世界で2箇所しかない被爆地であって、そういった今までの人生の中から、平和都市で過ごしてきた部分、五輪も平和の祭典だと思っているので、そういう発信ができれば幸いです」

――予選のないチーム作りとなるが、そこをカバーするためにどういうことを監督は考えているか。また、協会としてはどういうサポートをしていこうと思っているのか。
西野 「U-20が韓国で世界大会を戦い、先日U-17のインドの世界大会。このカテゴリー、育成世代に関して、昨年から非常に強化するようになって、海外遠征をたくさんさせてもらった。各大陸に行って、いろんな経験を積んだつもりでいたけど、その中では非常に大きな経験を積み、成果を上げ、本大会で間違いなく良い成果を出せるのではないかという期待も強くあった。その中で実際、本大会に行ってみると、まったくと言っていいほど、相手チームの日本に対する対応、世界の基準というものが、またワンランク違ったことを体験できて、トーナメントに上がってから、勝ち上がれない、一つのステージを超えられないU-20、U-17があった。そこにはある程度、日本らしさ、特長が生かされる技術力や組織力は、あのレベルまでは通用することができた。それは非常に強化の中で感じ取っていたレベルまではできたかもしれないが、やはり世界は、そこからまた違うんだということを、選手たち、スタッフも、違う景色を見て感じたと思う。この世代の五輪チームもそうですが、これから強化していく中で、強化プランを立てるのに、国内のカレンダーと合わせていかなければいけないし、海外のチームに所属している選手もいるので、監督が言っていたとおり、ラージを見る必要がある。本当に真剣にやれる強化というのを考えていく必要があるし、そのクオリティーをもっと上げていく中で準備していかないと、五輪を何となく可能性がある大会と思っていても難しくなっていくので、この2つのカテゴリーを見て、非常に思うところはあるので、強化プランを見直すという、世界基準をもう少ししっかりと捉えた中でやっていかないといけないと思っている。それを監督と、要求を頂いて考えていきたい」

森保 「予選がないのは全体的な底上げをしながら、チーム作りをしていく部分のメリットはあると思っている。もちろん予選がないところで、真剣勝負で勝ってチームが結束して、あるいは自信を持って、選手とチームがステップアップしていくことはあると思うけど、予選がないことをメリット、生かしてじっくりチーム作りしていきたいと思うし、予選がない部分、足りないところは、いろんなコーチ、指導者、西野技術委員長と相談しながら、世界で戦っていくには、もう一つ殻を破って世界と戦っていくには、どういうところが足りないかという部分もトレーニングの中で生かして、強化試合もいろんなところでできると思うので、そういう中でどれだけ情熱を持ってやれるかだと思っています」

最終更新:10/30(月) 21:25
ゲキサカ

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