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カタルーニャ、本当に独立できるの? 実は2回目、ドタバタの理由 国際社会は無視、中央政府に借金も

2017/11/1(水) 7:00配信

withnews

 独立を宣言したことで注目が集まるスペインのカタルーニャ自治州ですが、実は住民投票は2回目。今回の住民投票後も、独立宣言をしたのか、していないのか、あいまいな状態が続きました。そして、カタルーニャ自治州の州首相は国外へ。独立宣言したのに独立が進まない理由とは?(朝日新聞国際報道部・神田大介)

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実は2回目の投票

 今回の住民投票が行われる前から、カタルーニャと中央政府との間には溝がありました。もともと別の国だった歴史に加え、製造業や観光業が盛んなため、納めた税金に比べて、自分たちに使われるお金が少ないという不満がありました。

 そんな中、2010年、自治憲章の一部が憲法裁判所に違憲だと判断されます。カタルーニャに認める自治を定めたものですが、中央政府との話し合いでカタルーニャ側が譲歩を重ね、2006年に成立した経緯がありました。ところが、それでもマドリードの政治家らが不満を持ち、裁判所も同調。これではもはや独立するしかない、そんな機運が強まります。

 2012年の州議会選挙は、独立を求める議員が勝利。2014年11月に独立をするかどうかを問う住民投票を行いました。

 ただし、マドリードの中央政府が強く反対したこともあり、これは非公式な「意見の集計」という位置付け。それでも有権者の4割が参加し、8割が独立に賛成しました。

 その後、2015年9月の州議会選挙で、独立を公約に掲げる政党連合が第1党に躍進。民意を背に今年9月、こんどは正式に住民投票をすると決めました。

 中央政府は猛反発。憲法裁判所が差し止めを命令し、警察が一部の投票箱を差し押さえるなどしましたが、10月1日、投票は強行されました。

「住民投票などなかった」

 結果は独立を支持する票が9割以上を占める圧勝でしたが、中央政府のラホイ首相は「住民投票など行われていない」と発言。違法な状態で行われた投票には意味がないという姿勢を示しました。ただ、同時に「法の範囲内で議論する扉は閉ざさない」と含みを持たせました。

 一方のカタルーニャ州政府も、すぱっと独立を宣言しませんでした。プッチダモン州首相は、なんだかんだと決定を先送り。ようやく投票から9日後、独立宣言の文書に署名をしたうえで、直後に「(中央政府と)対話のため、独立宣言の効力を凍結する」という曲芸めいた手に出ました。

 住民投票の結果が出たらすぐに独立を宣言するというのは、ずっと前からの公約だが、中央政府との正面対決も避けたい。プッチダモン氏の苦しい心情が感じられます。

 これに対し中央政府は、独立を宣言したのかしていないのか、はっきりしろと要求。プッチダモン氏は、対話しないなら「州議会が実施していない公式な独立宣言の採決に向かう」と答えました。つまり、先の宣言は公式なものではないとほのめかしたわけです。

 事実上の譲歩だったわけですが、はっきり独立を否定しなかったとして、中央政府は自治権の一部を停止すると決めました。このころのプッチダモン氏は、表情がやつれて見えます。

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最終更新:2017/11/1(水) 7:00
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