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県教委、教職員研修に力 発達障害への対応強化

10/31(火) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

発達障害のある児童生徒への指導法を身に付けてもらおうと、県教委は、教職員を対象とした研修に力を入れている。発達障害に関する知識を深め、より児童生徒に寄り添った教育支援につなげるのが狙い。専門家による講演や模擬体験などを通して、子どもの個性や能力に応じた対処法や授業スタイルを探っている。

研修会は年に数回、県内の教職員を対象に、基礎知識から発展的な内容までを研修する。24日に開かれた研修会には、県内の小中高校、特別支援学校の教職員約200人が参加。講演や実践発表などを通して、学習支援や授業方法について理解を深めた。

発達障害は、生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ、環境や人との関わりのミスマッチなどから、社会生活に困難が生じる障害。2004年施行の「発達障害者支援法」で定められ、自閉症や学習障害、注意欠陥・多動性障害などさまざまな症状がある。

12年12月の文部科学省の調査によると、小中学校の通常学級に在籍している児童生徒の中に、学習面、または行動面に著しい困難があるとされる児童生徒の割合は約6・5%とされ、40人学級で1学級当たり2~3人の割合になる。

07年施行の改正学校教育法で全ての学校での特別支援教育の推進が明確に示された。発達障害も新たな支援対象として、ニーズに応じた指導と支援の充実が求められるようになった。

県教委によると、小中学校では、学習に遅れがある▽集団行動がうまく取れない▽不適応行動を起こしてしまう-などの問題がある児童生徒が通常学級に所属し「対応に苦慮する教職員も少なくない」(県教委)という。

特に、最近は、高校でも学習面や人間関係でつまずく生徒が増えているといい、社会的障壁を取り除くための合理的配慮の観点からも、県教委は「発達障害の理解と対応は喫緊の課題」と位置付けている。

研修会の講演には、発達障害者の支援に取り組む企業「LITALICO(りたりこ)」のジュニアスーパーバイザー、吉田有里さんを招き、障害の内容などに合わせた各種アプローチの方法について指導を受けた。常陸太田市立世矢小の生田目通晴教諭は「つまずきの要因から子どもの特性に合わせた支援の手法を知ることができた」と話す。

また、児童生徒の立場に立って疑似体験する実習では、吉田さんが「つまずいてから支援するのではなく、つまずく前に手だてを講じて支援することが大切」とアドバイスした。

研修に参加した阿見町立竹来中の宮本順子教諭は「中学校では一人一人の特性に応じた関わりが不十分と感じる。しっかりと研修したい」と話した。11月には「行動分析」に関する研修が開かれる。(朝倉洋)

茨城新聞社