ここから本文です

[特集]ホームセンターを「何でも買える店」に 家電から食品まで揃うユニディ湘南平塚店

10/31(火) 19:00配信

BCN

[特集]ホームセンターを「何でも買える店」に 家電から食品まで揃うユニディ湘南平塚店

ホームセンターの「ユニディ」は、炊飯器をはじめ、白物家電の販売に力を入れる

 2014年にアイリスオーヤマ傘下となり、現在、首都圏の1都3県で、「ホームセンター ユニディ」と工具・金物専門店「ユニハードウェア」を展開するユニリビング。全17店のうち、最も売場面積の広い大型店「ユニディ湘南平塚店」で、全店のバイヤーを務めるユニリビング 下島健志氏に、なぜ、ホームセンターであるユニディが家電販売に力を入れるのか、その理由と今後の展望を聞いた。

●インターネット通販の浸透に危機感 「ユニディに行けば家電も買える」

 ユニディ湘南平塚店では、今年6月から家電・照明コーナーを拡張し、店舗の奥から、正面入口から入ってすぐの一等地に移転した。屋外を含め約3000坪(10,000m2)の売場面積のうち、わずか170坪程度に過ぎず、売場全体に占める比率は小さいが、森田龍一郎店長は、今後は家電の販売を強化していきたいと意気込む。

 バイヤーを務める下島氏も、従来のDIY用品や園芸用品、生活用品だけを扱うホームセンターの概念を壊し、「ユニディに行けば家電も買える」と多くの人に知られるようになり、生活する上で必要なものが一か所でまとめて買えるワンストップショップを目指したいと語る。

 ユニディ湘南平塚店のホームセンターとしての強みは、プロのニーズも満たす、朝7時オープンの充実した工具・資材コーナーと、湘南エリア随一の品揃えのクラフト・画材・文具の専門店「ユニアート」。園芸用品やペットコーナーも人気だ。

 他店にはない独自性と、国道1号線・134号線に近く、国道129号線に面した立地の良さから、メインの商圏範囲の平塚市・茅ヶ崎市・寒川町だけではなく、西は小田原から東は鎌倉あたりまで、相模湾沿いの広いエリアから来店しているという。さらに、2015年4月に同じ建物内に、安さ・品揃えの多さで知られる地場の食品スーパー「ロピア 平塚ユニディ店」がオープン。そこに多彩な白物家電が加わり、まさに何でも買える店へと進化した。

 約660台が駐車できる広い無料駐車場のうち、2階の屋上駐車場の一部区画には屋根があり、雨でも濡れずに店舗に出入りできると好評だ。競合になるかと懸念された大型ショッピングセンター「ららぽーと湘南平塚」の出店による影響もほとんどなく、森田店長は、エリア自体の注目度が上がり、「他のエリアに流れていたお客様が戻ってきた。意外にもプラスになっている」と話す。

●イチオシは「炊飯器」「ドライヤー」「クリーナー」

 バイヤーの下島氏は、さまざまな家電のうち、注力カテゴリとして「炊飯器」「クリーナー(掃除機)」「ドライヤー」を挙げた。ドライヤーと掃除機は、コンセントに差し込んでセルフで自由に試せる。「体感型」の売り場づくりは、拡大するインターネット通販を意識し、リアル店舗ならではの強みを生かすためだ。

 「一般的な家電量販店で試せるものは、もちろんすべて試せるようにしたい。将来は、洗濯機などもユニディなら試せる、みたいに挑戦していきたい」。一人暮らしに必要な白物家電と収納用品をまとめて購入できるのはホームセンターならではと、優位点をアピールする。

 「なるほど家電」というキャッチコピーとともに、店内には、炊飯器をはじめ、アイリスオーヤマ製品が目立つ。ユニディは、アイリスオーヤマのテストマーケティングの目的で、ユニディでの成功事例やさまざまなマーケティングの結果を水平展開させるという役割も担っている。

 また、アイリスオーヤマは家電メーカーとしては後発だが、以前から扱っていた収納用品同様、販促ツールがしっかりしていると、森田店長は、売り手としての視点からも高く評価する。

 オーブンレンジ・トースターなどの定番はもちろん、パーティ向けなどの変わり種の調理家電、季節商品の暖房器具なども展示。時短ニーズでほったらかしで調理できる電気圧力鍋が売れていることから、賃貸物件に住む層に向けて、同じく「時短」につながる卓上型食洗機も置いてみたという。

 高額なため、「まだ実は台数は出ていない」(下島氏)とはいうものの、家電量販店では見かけない大きな扱いと、積極的なトライ&エラーの姿勢に新鮮な印象を受けた。サポート体制は通常商品と同じで、卓上型食洗機のように設置工事が必要な場合は、もともとあるリフォーム部門が引き受ける。

 品揃えの特徴は、全体的に値ごろ感のある価格であること。10万円を超えるものはあまりない。例えば、洗濯機は乾燥機能のないものだけに絞った。掃除機は高くとも2万円程度で、ロボット掃除機は、実際に動くデモ機を置いているものの、なかなか購入につながっていないという。ただ、売れる見込みの高い安価な製品だけではなく、それよりワンランク上の製品を並べ、予算にあわせて選べるようにし、少しずつ単価が上がれば成功だと、まず「家電を売っている店」としての認知度のアップに期待をかける。

 「何でもある」といった点では、大手総合通販サイトや有名ディスカウントストアにも引けを取らない。生鮮食品やアルコール類などを買えるスーパーまで揃ったユニディ湘南平塚店は、収入はそこそこでも、DIYや手料理・ホームパーティなど多彩な趣味を持ち、時間にゆとりのある層に向けた究極の「まとめ買い店舗」かもしれない。複数の店舗をハシゴするくらいなら、インターネット通販で十分。実際に試せない店、いつ行っても代わり映えしない店は退屈――。車利用の多い郊外エリアで、いま、従来のホームセンターの概念が変わりつつある。(BCN・嵯峨野 芙美)

■店舗データ
店長:森田龍一郎
住所:神奈川県平塚市久領堤1-2
アクセス:JR平塚駅から徒歩15分
売場面積:10,000m2(ユニアート含む)
営業時間:インテリア・生活用品コーナー9:30~21:00、工具・資材コーナー7:00~21:00
駐車場:約660台(ロピア 平塚ユニディ店と共用)
オープン:2004年4月

最終更新:10/31(火) 19:00
BCN