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栄・丸善で「本の路地裏横丁」 本の産直市やトークイベントなど /愛知

10/31(火) 12:27配信

みんなの経済新聞ネットワーク

 栄の書店「丸善名古屋本店」(名古屋市中区栄3)で10月28日・29日、書店や雑貨店などを会場にした本の大型イベント「ブックマークナゴヤ2017」の企画「ほん×ろじ 本の路地裏横丁」が開催された。(サカエ経済新聞)

「本の産直市@名古屋2017」に参加した桜山社・江草三四朗さん

 同企画では、出版社の社員が自社の書籍を販売する「本の産直市@名古屋2017」や、本とコーヒーメーカーのコラボレーション、トークイベントなど、本にまつわるさまざまなイベントが行われた。

 本の産直市は当初、同店北側の側道通路での野外販売が予定されていたが、台風の影響で店舗内の各フロアにテーブルを並べて出店。風媒社、リベラル社など愛知県内外の38社が参加し、よりすぐりの書籍を来場者にアピールした。

 「桜山社」(瑞穂区中山町5)は代表の江草三四朗さんが2015年に立ち上げた「ひとり出版社」。江草さんは「出版社営業や記者を経験して、地元の名古屋に戻り立ち上げた。執筆依頼も営業も全てが大変だが、それ以上に本が形になる喜びが大きい。昨年からようやく5、6カ月に1冊のペースで出版できるようになっている。名古屋発で全国に通用するような本を出していきたい」と意気込む。産直市には10月に発売した最新書籍「いつか来る季節 名古屋タクシー物語」(広小路尚祈)など、これまでに出版した全3冊を持参。「今日はたくさんの方に知っていただき、目の前で買っていただけて、うれしかった」と笑顔を見せた。

 同店1階では創業100年を迎える地元コーヒーメーカー「ワダコーヒー」が「丸善名古屋本店オリジナルブレンド」を販売。専門書やビジネス書で頭を使った時や読後に一息入れたい時にお薦めの、華やかな香りとさっぱりとした口当たりのソフトブレンド「知」と、長編小説や巻数の多いコミックなど時間をかけて読書を楽しむ時にぴったりという、苦みと酸味のバランスを味わえるビターブレンド「燈(ともしび)」の2種を制作した。

 和田康裕社長は「話し合いをしながらイメージを固めていき、焙煎(ばいせん)担当がイメージを味にしていった。工場での試作は50回くらい行い、1カ月の試行錯誤で完成した。2種の味のメリハリにもこだわっている。近年は名駅が商業の街として発展しているが、栄は商店の街であり、にぎわいの街。当社はもともと栄に焙煎工場があったので、今後も街を盛り上げるイベントなどがあれば積極的に協力していきたい」と話した。

 1階イベントスペースでは2日間で3つのトークイベントを開催。28日の「名古屋出版業界事情を語ろう!」では、出版ジャーナリストの石橋毅史さんを司会進行に編集や取次、書店などさまざまな立場のメンバーが本と出版について話し合った。第1部は樹林舎・山田恭幹社長、あるむ・川角元会長を招き、名古屋の出版業界の変遷や思い出の本、地元で出版業界を志す若者へのアドバイスなどを聞いた。第2部では「日本ど真ん中書店大賞」の創設メンバーの日本出版販売・森下順平さんや「ブックマークナゴヤ」実行委員会代表の黒田杏子さんらと共に、地元発の賞の在り方や、本のイベントについてディスカッションが行われた。

 トークを終えた石橋さんは「こうしたら盛り上がるというマーケティング的発想で考えるより、その街に住む人が熱意を持って自分のいる場所を掘り下げていくことが、自然に地域の魅力を語ることになっていくと思う。名古屋の出版界には熱意を形にしてきた人がたくさんいて、多くを学べる街だと感じた。東京、大阪の間にあり、いろいろなものが行き交い、生かされている名古屋は、本の内容も売り方も多様性のある場所になるのではと期待している」と語った。

 「ブックマークナゴヤ2017」は11月5日まで。

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