ここから本文です

巨人・菅野が沢村賞初選出 選考基準はこのままでいいのか

10/31(火) 16:45配信

東スポWeb

 プロ野球創設期の名投手、故沢村栄治氏を記念した「沢村賞」の選考委員会(堀内恒夫委員長)が30日、東京都内で開かれ、セ・リーグの最多勝と最優秀防御率に輝いた巨人の菅野智之投手(28)が初めて選ばれた。巨人からの選出は2002年の上原(現カブス)以来、15年ぶりとなったが、6年連続で選考基準全項目クリアとはいかなかった。沢村賞はこのままでいいのか。かつて沢村賞に輝いた本紙評論家・遠藤一彦氏に聞いた。

 選考委員会は高いレベルで紛糾した。先発完投型の投手が対象の選考基準は15勝、150奪三振、10完投、防御率2・50、200投球回、25試合登板、勝率6割の7項目。今季の菅野は17勝5敗、171奪三振、6完投、防御率1・59、投球回は187回1/3で、登板25試合、勝率7割7分3厘をマークした。

 菅野と西武・菊池が、10完投と200投球回を除く選考基準5項目をクリア。5人の委員(堀内恒夫氏、平松政次氏、山田久志氏、村田兆治氏、北別府学氏)による選考会では2投手の同時受賞を推す声も出たが、堀内委員長は「ベストワンを選ぶということで協議し、5人が菅野君を選んだ。菅野君は防御率と勝利数がセ、パを通じても最高だった」と説明した。

 菅野は東京都内で記者会見し「本当に誇りに思うし、言葉で表せないくらい感動している。見合った活躍がこれからも求められる。さらに高みを目指していきたい」と話した。

 そんな沢村賞の選考については、選考基準の見直しが近年、議題に上る。選考基準の7項目をすべてクリアする投手が2011年の田中将大(当時楽天)を最後に6年連続出ていないからで、これについては「基準を下げるべき」「クオリティースタート(6回以上で自責点3以下)の割合など新たな基準を設けるべきでは」などの声も出ていた。

 そのため沢村賞の選考委員会はこの日、来季から現行の選考基準を補足する形で、先発試合数のうち7回以上を投げて自責点3以下とした割合を考慮することを決め、堀内委員長は「先発完投型の投手をたたえるスタンスに変更はない。より長いイニングを安定して投げられる投手を条件とした」と説明した。

 だが「該当者なしならそれでもいいのでは」としたのは、1983年に沢村賞に輝いた本紙評論家の遠藤氏だ。

「沢村賞というものは、沢村栄治さんの素晴らしさをたたえたもの。やはりバッタバッタと三振を取りながら、ひとりで投げ切ることのできる投手を表彰したほうがいいと思います。クオリティースタートなんて昔はなかったですし、ちょっとどうかな…と。私も沢村賞を取った翌年(84年)に最多勝を取り、項目をクリア(7項目中5項目)したのですが“こんなに負ける投手(17勝17敗)には沢村賞はあげられない”と、その年は該当者なしとなりました。賞の性格を選考委員が第一に考えれば、それでいいのでは」

 それでも投球回数と完投数は分業制によって難しい時代になっているのは遠藤氏も認めている。

「確かに投球回数は200回を180回ぐらいまで下げてもいいかもしれません。たかが20ですが、2回を10試合と考えると大きいですしね。ただ、なるべくシンプルに、ハードルは下げないほうが、とは思いますが…」

 あくまで数字は基準。沢村賞にふさわしい本格派投手は、やはり項目クリアの数だけでは決められない。

最終更新:10/31(火) 16:45
東スポWeb