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「破綻の構図」(株)ステークス ~ ステーキ店「KENNEDY」展開、値引き戦略が裏目

10/31(火) 15:30配信

東京商工リサーチ

 10月2日、都内を中心にステーキ&カフェ「KENNEDY(ケネディ)」などを展開していた(株)ステークス(TSR企業コード:295376414、品川区、中路優理社長)が東京地裁に破産を申請、同日、破産開始決定を受けた。関連会社1社を含む負債総額は14億3700万円だった。
 「カフェ感覚で気軽にステーキ」をモットーに、カジュアルなステーキ店として一時は人気を博した。だが、同業との競合で顧客を奪われ、安易に値引き頼りの戦略が自らの首を絞めた。夏場から取引先への支払遅延が相次ぎ、信用不安が広がりを見せるなかで経営は限界に達した。

 ステークスは1998年1月に現社長の父、兄らが中心となってステーキレストランを開業した。いわば家族経営の「街のレストラン」だった。アメリカンスタイルで気軽にステーキを楽しめるケネディはすぐに顧客の心を掴んだ。矢継ぎ早に2号店、3号店を出店し、2005年に現社長が就任して以降はそのペースを加速させ、業容を拡大していった。
 1号店の開業から約10年で都内中心に店舗数は約40店舗にまで伸びた。当時、ある業界紙インタビューで、社長は「首都圏で100店のチェーン展開を目指す」と表明していた。テレビやグルメ誌などに取り上げられる機会も増え、ステーキ専門店として確固たる地位を築いていった。

「肉ブーム」に乗れず経営暗転

 しかし、同社の成長曲線は2014年12月期を境に急速に下降していく。
 世間では「肉ブーム」が巻き起こっていた。立ち食いスタイルでステーキ業界を席巻する「いきなりステーキ」は2013年12月に銀座に1号店を開店し、店舗を拡大させた。このほか、1人や女性だけでもステーキや焼肉が楽しめる店が増え、裾野は広がった。ところが、このブームを牽引したのは趣向を凝らし続々とオープンした新興勢で、ケネディが恩恵にあずかることはなかった。
 新興勢に顧客を奪われ、深刻な来店客の減少に見舞われたステークスに、過去のステーキレストランとして人気を博した当初の面影はなくなっていた。

◇値引きキャンペーンありき
 劣勢を強いられ、顧客呼び戻し策として同社がとった戦略が値引きキャンペーンだった。2割、3割引は当たり前。時には半額キャンペーンを打つこともあった。また、店舗の近隣地でドリンク無料などクーポン付きのチラシを配布したほか、クーポンサイトにも積極的に掲載し、値引きを全面的に押し出して集客を図った。
 ところが、繰り返し打ち出したキャンペーンは麻薬だった。値引きで一時的に客足が回復しても、止めれば元に戻り、値引き自体が利益率の低下にも繋がった。

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最終更新:10/31(火) 15:30
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