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「出合い」は偶然 亡き夫の思い継ぎ、絵図守った女性 ユネスコ記憶遺産登録に喜び 長崎県壱岐市

2017/10/31(火) 15:50配信

qBiz 西日本新聞経済電子版

 登録決定に資料の所有者たちも喜びの声を上げた。「朝鮮通信使迎接所絵図」を代々所有する長崎県壱岐市の土肥純子さん(77)は「壱岐をアピールできるのでうれしい」と語った。

 迎接所は壱岐に立ち寄った朝鮮通信使一行が接待を受けたとされる施設。絵図は縦79センチ、横168センチで、宿泊する部屋や台所などの間取りが細かく描かれている。

 土肥家は江戸中期から続く宮大工の家系で、1981年に亡くなった土肥さんの夫を含め代々、壱岐などで神社や寺の建築を手掛けた。絵図との「出合い」は偶然。77年に旧勝本町教育委員会職員が別の調査で押し入れから見つけるまで「価値も分からず、長持ちには絵図以外にも、皿などいろいろあった」と振り返る。

 見つけた職員は現在、市立一支国(いきこく)博物館長の須藤正人さん(73)。絵図はきれいに畳まれ、カビも生えていなかった。誰がいつ描いたか分からないが「土肥家の先祖が描き残したのではないか」と須藤さん。

 亡き夫は生前、「家に残る文書は全部守るよう親族に言われた」と話していた。思いを引き継いできた土肥さんは「先祖ゆかりの品だが、後世に残すため一支国博物館へ寄贈したい」と話した。

西日本新聞社