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戦力外の村田修一はどこに行くのか? 新天地決定は、来シーズン開幕後の可能性も

10/31(火) 19:40配信

VICTORY

2016年にセ・リーグのベストナイン、ゴールデングラブを同時受賞した村田修一。だが、クライマックスシリーズの出場を初めて逃した読売ジャイアンツは若返りにかじを切り、今オフ、村田に戦力外通告を突きつけた。2012年に横浜DeNAベイスターズからFAで巨人に移籍し、リーグ3連覇にも貢献した36歳は新シーズンをどこで迎えることになるのか。(文:菊地選手)

巨人を自由契約になるも新天地は決まらず

衝撃の一報が走ったのは、10月13日。通算360本塁打を記録しているスラッガー・村田修一が、所属先の読売ジャイアンツから来季の契約を結ばないことを通告されたのだ。

今季の成績は118試合に出場して、打率.262、14本塁打、58打点。往時の活躍ぶりを思えば物足りない数字で、「若返り」を理由に放出されるのもやむを得ないように感じる。だが、開幕当初の起用法は代打中心で、モチベーションとコンディションを維持することが難しかった点も考慮するべきだろう。ある球界関係者は「役割さえ明確に与えてやれば、まだ3割20本を打てる力はある」と語るように、その打棒は錆びついていない。

巨人フロントが功労者の村田に配慮して、他球団と交渉しやすい自由契約にしたこともあり、村田の新天地はすんなり決まるだろうと思われた。だが、自由契約から2週間あまりが過ぎ、ドラフト会議を終えた10月29日現在、村田獲得のために公式に手を挙げている球団はない。

最有力とされた東北楽天ゴールデンイーグルスも、星野仙一球団副会長が出演したテレビ番組で村田獲得を否定するコメントを発している。なぜ、どの球団も村田獲得に名乗りを挙げないのか。そしてどの球団に獲得の可能性があるのかを考えてみたい。

球界の流れを変えつつある日本ハムとカープの成功

村田が本来守る三塁手が手薄のチームを探してみると、真っ先に挙がるのは東京ヤクルトスワローズ、千葉ロッテマリーンズという両リーグの最下位球団だ。今季、両球団で三塁手として最多出場したのは、ヤクルトは藤井亮太(90試合)、ロッテは中村奨吾(69試合)。ともにレギュラー安泰とは言い難く、去就が宙に浮いている村田に飛びついてもおかしくない。だが、ヤクルトは今季故障で1年を棒に振った川端慎吾が来季は戦線復帰する見込みで、ロッテは井口資仁新監督のもと、若手育成に舵を切るため村田獲得へ消極的と見られる。

和製大砲が不在ということで一度は「調査中」と報道された楽天も、実際に獲得したところで村田を生かすことができるか疑問が残る。和製大砲が不在とはいえ、外国人野手はウィーラー、ペゲーロ、アマダーと破壊力のある打者がそろっており、村田は右の代打や故障者が出た際のリザーブ要員になる可能性が高い。また、今季イースタン・リーグで18本塁打、66打点で二冠王に輝いた若手の大型打者・内田靖人のチャンスを奪いかねない。

なぜ、多くの球団は村田獲得に二の足を踏むのか。その背景には、「若手育成」に関する各球団の考え方の変化があるのではないか。影響を与えているのは、北海道日本ハムファイターズと広島東洋カープだろう。

両球団の特色は、ドラフト会議で指名、獲得した選手を手塩にかけて一流選手へと育成し、強化するという「ドラフト至上主義」だ。日本ハムは今季5位に沈んだとはいえ、過去12年間でリーグ優勝5回。広島は2年連続レギュラーシーズンを制している。

とくに日本ハムは小笠原道大(現中日2軍監督)、ダルビッシュ有(現ロサンゼルス・ドジャース)、糸井嘉男(現阪神)ら、看板スターが次々に球団を去りながらも、代わりになるスター選手が続々と現れる新陳代謝の良さで好成績を挙げている。その日本ハムの影響を大いに受けているのは、今季日本シリーズに進出したDeNAだ。

DeNAの高田繁GMは、かつて日本ハムでもGMを務めている。以前、高田GMにインタビューした際、「日本ハムのように次々と下から良い選手が出てくるような体制にしていきたい」という言葉を聞いたことがある。他球団で実績のある選手を呼ぶのではなく、自前で育成した若い選手を中心に据える。そんな日本ハム流の手法が筒香嘉智、梶谷隆幸に代表される生え抜きの成長につながり、今季の日本シリーズ出場につながった。

また、ヤクルトの監督に復帰した小川淳司監督は、今年度は編成部の責任部門であるシニアディレクター(SD)として携わっていた。小川監督もSD時代のインタビューで「ドラフトで指名した選手の育成、強化を最優先に考えている」と語っている。

つまり、DeNA、ヤクルトのように資金力が限られている球団は、日本ハム、広島が結果を残した「ドラフト至上主義」へと着実にシフトしている。この流れにロッテも続いていると見るべきだろう。ロッテは先日のドラフト会議で、未来の4番打者候補である高校生三塁手・安田尚憲を1位指名している。

年俸が安い、未来の主軸候補を育成するチームが増えていることは、村田のようなベテランにとって逆風でしかない。

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最終更新:11/1(水) 12:01
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