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【インタビュー】岡野真也/映画『ゆらり』で2度目の主演を経験。「周りを見る余裕ができました」

10/31(火) 10:28配信

Stereo Sound ONLINE

“親子の絆“を凝縮した感動作で、岡野真也が母親役に挑戦

 西条みつとしの人気舞台を映画化した『ゆらり』が11月4日より公開となる。映画版の脚本は、原作者でもある西条が務め、舞台版の感動をそのままに、三つの時間軸の中で紡がれる“親子の絆“を、映像にギュッと凝縮した感動作となっている。監督は、本作がデビュー作となる横尾初喜。主演二人――岡野真也、内山理名が見せる母性を、繊細なタッチでまとめている。ここではW主演の一人、二つの時間軸の主役・凛香を演じた岡野真也に話を聞いた。

【画像】ポーズを取る岡野真也さん

――出演おめでとうございます。初めてのお母さん役ですね。
 ありがとうございます。そうなんですよ。プレッシャーは大きかったです。でもその反面、うれしくもありました。

――舞台版の映画化というのは意識されましたか?
 そうですね。とても評価されている作品でしたから、舞台のファンであるお客さんを失望させないようにしないといけない、というプレッシャーはありました。でも、映画としても成立させないといけませんから、(お芝居)は)難しかったです。

――役作りは?
 基本は、私が経験してきた人生を(役に)盛り込むしかないんですけど、過去を描く3部の23歳の凛香ちゃんについては、かつての私を見ているみたいだったので、演じやすかったかな~と思います。自分の反抗期は、ああいう感じだったのかなって(笑)。

――現在を描く1部の母親になった凛香は?
 実際にお母さんに話を聞いたり、育児の本を読んだりしたものを、自分の生きてきた過去に還元して、それを凛香にプラスして出した、という感じです。
 まだ当分、母親にはならないと思うので、セリフが嘘っぽくならないように、というのはずっと考えていました。セリフのひとこと一言に対して、裏付けじゃないですけど、過去の自分と母に照らし合わせながら、それが使われた(出てきた)状況を思い出して、言葉が真実になるようにしました。

――映画で見せた演技はご自身のお母さんに近いのですか?
 いえいえ、まったく正反対です。私の母はもっとパワフルですから(笑)。ただ、母の昔の写真が、(凛香の母親役の)鶴田真由さんに似ていたので、3部のお芝居は入りやすかったですね。

――(1部の)母親のお芝居には、愛情の深さが強く出ていました。
 見せ方は難しかったです。それ(愛情)がお客さんに伝わるかは分かりませんが、その時の私の横顔が、母にそっくりだったので、一人感動していました(笑)。

――お母さんは本作をご覧になりましたか?
 まだです。でも、とても泣き虫で、何を見ても泣くような人ですから、どうなることやら(笑)。予告やPVは見たらしく、感想は、それだけで“泣いた“ですから!

――ところで、物語を時間軸で並べ変えると、3部から1部、1部から2部と時が流れていきますが、登場人物は重なりませんね。
 凛香の家系はみんな短命なんです。原作の西条さんにお聞きしたところ、設定では、(3部の)渡辺いっけいさん演じるお父さんは1部の少し前に亡くなっていて、私は2部の少し前に他界していて......。

――3部で覚えているのは?
 やはり、マジックですね。渡辺さんと二人で細かいところまで、一からシーンを作り上げていったんです。注目はラジカセです。凛香は小さいころからお父さんにマジックの手伝いを仕込まれているので、映画を観ていただくと分かるんですけど、パニックになっても自然と体が動いてラジカセを持っていくんです。

――そうして、ラストにはお母さん(鶴田)との悲しいシーンがあります。
 実は、そのシーンの撮影のことはあまり覚えていないんです。がむしゃらだったんだと思います。スタッフの皆さんも私のことを気遣ってくださって、一回で撮り切るぞという意気込みでやってくれたんです。覚えているのは、そこでのセリフは凛香の言葉ですけど、私なりの気持ちは込めていたことです。

――『ゆらり』に出演して、何か変わりましたか?
 両親の有難味を改めて感じましたし、自分と家族の関係が少し変わった気がします。昔は、自分が子供ということもあって、(親に)反抗する意識も強かったし、我がままも言っていましたけど、凛香を演じてみて、また、役づくりの一環で昔の話を聞いてからは、(親の)言ってくる我がままを受け入れられるようになりました。
 それから、よく年配の方から、親とあと何回一緒にご飯食べられるのかなっていう話を聞くんですけど、それがちょっぴりですけど、理解できましたね。

――いいお母さんになりそうですね。
 一人の女性として、将来が楽しみになりました。

――お芝居面での成長は?
 いま思えば、『飛べないコトリとメリーゴーランド』の時は、初主演ということもあって、頑張らないといけないという気持ちが強すぎたのかなって感じていますけど、本作では、現場の空気を感じる余裕もありましたし、スタッフ、キャストが作り出すいい雰囲気を作品(映像)に出したいっていう気持ちを持てるようになったのは、成長したところじゃないかなって思います。

――ところで、横尾監督はいかがでしたか?
 お話しを伺うと、本当にお母さんが大好きなんだっていうのを強く感じました。その想いを、男性と女性という違いはありますけど、映画に反映させたいなと思って頑張りました。現場では、本当に自由にさせてもらえたので、映像からそうした気持ちを受け取ってもらえるとうれしいですね。

――監督からの演出の要望(指示)はありましたか?
 一つだけありました。1部のお母さんのお芝居の時に、心はできていても、どうしても表現が追い付かないところがあったんです。それは、ゆっくり話すとか、ゆっくり動くとかちょっとしたことなんですけど、監督の想うものができるようになるまで、何度も何度もチャレンジした記憶があります。そうしたこともあって、要望に応えられるものができたのかなって思います。

――今日は、ありがとうございました。

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最終更新:10/31(火) 10:28
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