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下げない相場と個人の投資行動を分析する 「上がったら売り」癖から脱却すべし マネックス証券 広木隆チーフストラテジスト

10/31(火) 11:54配信

ホウドウキョク

<上昇相場なのにバブル的雰囲気がないのはなぜ?>
30日は、日経平均はわずかながら上昇して終えた。
10月はこれまで20営業日のうち19日上昇したことになる。
下げたのは連騰記録が途絶えた25日の97円安わずか1日だけ。(10月30日現在)
しかし世間一般はあまりうかれていない。
日経平均株価は2万2000円の大台を1996年ぶり21年ぶりの高値だが、街中でも「株でもうかったぜ!」「パーッと飲みに行こう!」というバブル的にうかれている雰囲気が全くない。

<個人投資家は、儲かっていない。>
というのは実際、個人投資家は儲かっていないのだ。
この相場に乗り切れていない。
東証が発表している売買動向によると、買っているのは外国人だけ。
個人投資家は6週連続売り越し。
上昇相場が始まってからずっと ”売り” で対応している。

2つ要因がある。
日本株相場はこの何十年とずっと右肩下がりで推移しているので、ちょっと上がったところで売っとくのが正解だったという過去の成功体験に基づく考え方。

<利益と損失の心理的価値は異なる>
もう一つは、今年のノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学のリチャード・セーラー教授の『行動経済学』によると、人間は損失をものすごく嫌う生き物だという。
『損失回避バイアス』というのがある。
利益の嬉しさを1とすると、損失の痛みは2.5倍に値する。
利益と損失の効用(心理的価値)が異なるという理論だ。
つまり、損をするのが嫌なので、株価が少し上がると、少しでも利益があるうちにすぐに売ってしまう。
こういう行動パターンがノーベル経済学賞をとった理論で証明されている。

バブル時代の清算は20年かけて終了したと言える。
状況は変わっている。
ここからは息の長い上昇相場に始まる可能性が高いので、
個人投資家に染みついている「早く売ってしまう癖」から脱却して、
長期の視点で株式相場に付き合っていく必要がある。

最終更新:10/31(火) 18:25
ホウドウキョク