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若き匠の祭典に栃木沸く、技能五輪全国大会まで1カ月

10/31(火) 16:00配信

日刊工業新聞電子版

■メダルに大谷石、意識根付かせる

 「第55回技能五輪全国大会・第37回全国アビリンピック」の開催まで1カ月を切った。技能五輪は11月24日、アビリンピックは17日に栃木県で開幕する。県は2015年4月に「技能五輪・アビリンピック推進室」を設置して以来、大会開催の周知活動を進めてきた。今回は15万人程度の来場者と約25億円の経済波及効果を見込む。“とちぎ発”若き匠(たくみ)による技能の祭典までの動きを追った。

 「多くの県民に技能の素晴らしさや大切さを伝えてほしい」―。栃木県は大会本番に向け一体となって強化策に取り組んできた。15年から出場を目指す企業らに高度熟練技能者や全国大会出場者などを派遣して育成強化を図り、17年は12事業所に延べ10人を派遣した。県主催の公開練習会は16年7月のベルモール(宇都宮市)を皮切りに県内各地で約10回開き、「大会周知に限らず選手らの精神面強化にもつながった」(荒井浩己技能五輪・アビリンピック推進室長)。そのほか栃木県管工事業協同組合連合会などは、訓練資材などを提供した。

 16年の山形大会の栃木県からの出場者は68人で銀賞1人、銅賞3人のほか、敢闘賞4人と入賞者は8人だった。今回の県選手団は両大会合わせて170人と過去最多を記録。荒井室長は「金賞はもちろん、過去最高の入賞数を目指している」と意気込む。中でも山形大会では銅賞だったものの、15年の大会まで連覇していた「タイル張り職種」で金賞返り咲きを狙う。

 大会後も技能向上や継承意識を根付かせるため、会期中に小学生と高校生を対象に大会見学バスツアーを実施する。県内9校の高校生約250人と、4校の小学生100人程度が会場を巡り各競技を見学する。若手技能者を間近で見ることで興味を持たせ、次代につなげていく。約170校の中学生5万5000人程度に、職種紹介などを分かりやすく解説する「ものづくり図鑑」も配布した。最終ページにスタンプスペースをつくり、押印数に応じ記念品を提供する。

 開催県がデザインする表彰メダルの図案にも“若者らしさ”をにじませる。本職のデザイナーには依頼せず、「より身近な世代に考えてもらいたい」(荒井室長)との意向から、技能五輪のメダルは宇都宮工業高校の山井優香さん、アビリンピックは国分寺特別支援学校の白石大成さんがそれぞれデザインした。また、両メダルともに大谷石など県産材を使い栃木県カラーを前面にアピールした格好だ。