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TPP11 合意へ議論加速も 首席会合スタート 乳製品協議進展なく

2017/10/31(火) 11:03配信

日本農業新聞

 米国を除く11カ国による環太平洋連携協定(TPP)首席交渉官会合が30日、千葉県浦安市で始まった。政府が新協定の大筋合意を目指す閣僚会合が来月に迫る中、各国は閣僚に政治判断を仰ぐ項目の絞り込みを進めたい考えだ。安倍政権は、来月の大筋合意の実現に強い意欲を示しており、議論が一気に加速する可能性もある。

 日本は、米国離脱を踏まえてバター・脱脂粉乳などの輸入枠縮小を探っている。今会合で関係国と協議し道筋をつけたい考えだが、初日は進展がなかったもよう。

 会合は11月1日までの3日間。アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、来月上旬にベトナム・ダナンで開くTPP閣僚会合前の最後の事務レベル会合となる。議長国の日本は今会合で、米国復帰まで効力を凍結する項目を現状の50項目から少なくとも半減させたい考え。

 初日は作業部会レベルで項目の絞り込みを進め、2日目の首席交渉官全体会合に報告し指示を仰ぐ。座長を務める尾池厚之首席交渉官代理は冒頭、「ダナンまで残すところ1、2週間。われわれは最終段階に移らなければならない」とし、議論の加速を呼び掛けた。

 日本は各国と個別会談を持ち、対立する意見の調整を進めた。新政権の誕生で出方が注目されたニュージーランド(NZ)は、協定を修正する方針を転換するよう閣僚らを説得中だと説明したという。NZはこれまで日本と共に議論を主導してきたが、労働党を中心とした新政権は外国人の住宅購入を禁じるため、修正を求める、と表明している。各国は修正自体に難色を示しており、NZが仮に修正を求めれば大筋合意が不透明になる可能性がある。

 日本は5月にベトナムで開いた前回の閣僚会合後、首席交渉官会合を3度主催した。先月の東京会合後は凍結要望が多いベトナムやマレーシアなどに交渉官が赴き関係者の説得に当たるなど、TPPの早期発効に向けて働き掛けを強めてきた。安倍政権は、TPP11を実現することで、2国間協定に意欲を示す米国をTPPに引き戻す戦略を描いている。

日本農業新聞

最終更新:2017/10/31(火) 11:03
日本農業新聞