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福岡3.8億円強奪 取引情報、事前に把握? 逮捕者7人の他に関与者か 強盗致傷容疑

10/31(火) 17:07配信

西日本新聞

他の関与者も捜査

 福岡市・天神で現金約3億8400万円が強奪された事件で、福岡県警は31日、強盗致傷などの疑いで、実行犯とみられる関東や関西の男ら少なくとも7人を逮捕した。被害男性は「金塊を買い付ける予定だった」と説明しており、県警は男らが金塊の取引情報を事前に把握していた可能性が高いとみて調べている。

⇒【動画】防犯カメラの映像に、急いで走り去る白いワンボックスカー

 県警によると、男らは4月20日午後0時半ごろ、同市中央区天神1丁目の駐車場で、近くの銀行で現金を引き出したばかりの男性会社員の背後からスプレーのようなものをかけ、現金約3億8400万円が入ったスーツケースを奪った疑いが持たれている。男性は顔や喉に軽傷を負った。

 実行犯は逃走車両の運転手を含め3人で、犯行後は白いワンボックスカーに乗り込み逃走。車体には同市博多区で盗まれたナンバープレートが取り付けられていた。途中で別の車に乗り換えており、県警は福岡市内で乗り捨てられたワンボックスカーを押収。車内の遺留物からDNA型を鑑定し、実行犯らを特定した。

 被害男性は東京都内の貴金属店に勤務し、現金は金塊買い取り目的の資金だった。事件前日にもほぼ同額を銀行で引き出して金塊を買い付けており、この際、男性を尾行する不審な車が同市博多区内の複数の防犯カメラに写っていたという。県警は他にも関与した人物がいるとみて捜査している。

 金塊取引を巡っては昨年7月、福岡市博多区のJR博多駅近くのビルで現金約7億6千万円相当の金塊160キロが盗まれ、愛知県内の男ら7人が窃盗容疑などで逮捕、起訴されている。

金塊取引 事前把握か

 福岡市・天神で強奪された3億8400万円は、金塊の購入資金だったという。九州を舞台にした金塊取引に絡む事件は昨年から続発。福岡市博多区でも昨年7月、約7億6千万円相当の金塊が強奪される事件が起きていた。今回の事件でも、金塊購入の情報を容疑者らは事前に入手していたのか-。県警の全容解明が始まる。

 福岡市では2016年7月、博多区で警察官を装った男たちが約7億6千万円相当の金塊を奪う事件が発生。17年4月にも、福岡空港から7億3500万円を無申告で持ち出そうとして韓国人4人が逮捕、起訴された。佐賀県唐津市では同年6月、海上ルートで金塊206キロを持ち込んだ男らが摘発された。いずれも金塊密輸に絡んだ事件だった。

 金塊密輸の狙いは消費税8%分の利ざやだ。金塊を日本に持ち込む場合、税関に消費税8%を納めなければならず、その上で国内の貴金属店に販売すれば8%を上乗せした価格で買い取ってくれる。密輸して金塊を販売することで、この8%がもうけとなる。

 関係者の話では、主な金塊の出所は、購入時に税金がかからず、輸出制限もほとんどない香港。韓国・仁川国際空港で「運び屋」に渡す手口で日本国内に持ち込み、地理的にアジアに近い福岡が「金塊ビジネス」の舞台となっていた。密輸入を基にした闇取引のため、事件が起きても表面化しづらく、強盗被害などが起きているという。

 財務省によると、金塊の密輸は、消費税が5%から8%に引き上げられた14年4月以降に急増した。全国の税関が摘発した密輸入事件は05年7月~06年6月は3件。その後も数件~20件前後で推移したが、14年7月~15年6月は177件と一気に増加。15年7月~16年6月には294件に上り、過去最高を記録した。

=2017/10/31付 西日本新聞夕刊=

西日本新聞社

最終更新:10/31(火) 17:43
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