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韓国政府、中国に「米国の前哨基地にはならない」約束

10/31(火) 6:53配信

ハンギョレ新聞

カン・ギョンファ外相、対中国メッセージ 「THAAD追加配備・MD不参加 韓米日軍事同盟に発展しない」  中国、待っていたように歓迎の立場 来月APEC会議で首脳会談の可能性 韓中6カ国協議首席代表、31日北京で初会合

 カン・ギョンファ外交部長官は30日、THAAD(高高度防衛ミサイル)の追加配備と米国のミサイル防御(MD)に参加しないと明らかにした。また、韓米日3国の安保協力が、軍事同盟に発展しないという点も明確にした。これまで中国がTHAAD配備は韓米日軍事同盟を通した中国包囲戦略実現のための布石ではないかという憂慮を提起してきたことに対して、韓国政府が立場を明らかにする形で局面を切り替えようとしている。中国政府も待っていたように「歓迎」の立場を明らかにした。THAAD問題で凍り付いた関係を解くために、韓中がこれまで水面下での接触を通じて用意した解決法にともなう準備された措置と見られる。来月10~11日にベトナムで開かれるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議で文在寅(ムン・ジェイン)大統領と習近平中国国家主席の首脳会談の可能性も考えられる。カン・ギョンファ長官も「APECを契機とする二者会談にできるよう準備中」とし、会談の成功に力を込めた。

 韓中間の雪溶けムードはこの日国会で開かれた外交統一委員会の外交部国政監査で、カン長官の返事を通じて現れた。「中国通」として知られる共に民主党のパク・ビョンソク議員が「韓中間の軋轢に重要な要素は大きく分けて3つ」として「THAAD追加配置の有無▽MD参加の有無▽韓米日軍事同盟の可能性に対する韓国政府の立場を明らかにしてほしい」という質問に答えたものだ。

 カン長官は「韓米日3国安保協力は、北朝鮮の核・ミサイル脅威に対する抑止力を増進し、実効的に対応するためのもの」とし「こうした協力が3国間の軍事同盟に発展しないことを明確に申し上げる」と答えた。

 こうした立場は過去の保守政権とも変わらない。ただし、これまで外交部内外では中国が韓米日地域同盟化を極度に警戒している状況で、文在寅(ムン・ジェイン)政府が韓米日軍事協力の敏感性を見逃しているのではないかとの指摘があった。6月末の最初の韓米首脳会談共同声明に安倍晋三首相の名前を明記して「韓米日協力進展方案」という字句を入れたことや、7月にドイツで主要20カ国(G20)首脳会議を契機に開かれた韓米日首脳晩餐共同声明の「3国間安保協力を持続的に発展させていくことを約束」したという部分が指摘の対象だった。

 同じ脈絡で中国は、韓国のTHAAD配備をめぐり米国のミサイル防御(MD)体系に編入されるのではないかという憂慮を提起してきた。カン長官はこれに関連しても「韓国政府は米国のMD体系に参加しないという既存の立場に変わりはない」と再確認した。さらに「韓国政府はTHAAD追加配備を検討していない。明確に申し上げる」とも強調した。カン長官の発言は「THAAD配備と韓米日3角同盟で韓国が米国の対中国前哨基地になるのではないか」という中国の憂慮に対して、文在寅政府が公開的に線を引いて一種の約束をしたわけだ。

 韓中関係の復元に対する観測と関連してカン長官は「両国の未来指向的発展のために、近い将来に関連する知らせを発表できるのではないかと予想している」として「こうした措置で両国関係の困難を克服し、早い正常化軌道に出て行くことができると考える」と話した。カン長官の発言は、事前に韓中間実務協議を通じて調整されたものと見られる。最近中国が首脳会談に先立って、韓国にこれら三点に対する立場表明を要求したのではないかとの分析もある。

 中国外交部は、カン・ギョンファ長官の発言を直ちに歓迎した。中国外交部の華春蛍報道官はこの日、定例ブリーフィングで「私たちは韓国のこの三つの立場を重視する」として「中国は米国が韓国にTHAADを配備することに一貫して反対し、私たちは韓国がこの約束を実際に履行し関連問題を適切に解決し、中韓関係が早期に平穏で活発な発展軌道に戻るよう推進することを願う」と述べた。

 中国専門家たちも歓迎を示した。金景一北京大教授はハンギョレとの通話で「中国外交部の報道官が韓国が履行することを望むと言ったことは、中国がその程度の線で受け入れて結論を出す意志を明らかにしたものと見られる」として「(第19回党大会以後に)軋轢を縫合せずに引きずっていくことは、双方にとって損だという認識も作用しただろう」と話した。金景一教授は「関係改善モードに入った以上、速い動きになりそうだ。両国首脳会談や文在寅大統領の訪中日程もまもなく出てくる可能性もある」と展望した。

 状況がこのように展開し、来月初めのAPEC首脳会議で韓中首脳が対座するという期待が高まっている。韓中首脳会談が早期に成し遂げられれば、THAADによる軋轢を縫合し関係改善の決定的な契機になると見られる。これまで大統領府内外では、習近平2期体制がスタートする中国共産党全国代表大会(18~24日)を契機に韓中関係の梗塞が解けると期待してきた。実際、13日には韓中通貨スワップ満期延長がなされ、24日には2年ぶりに韓中国防長官会談が開かれるなど、久しぶりに韓中関係に薫風が吹きもした。

 カン長官はこの日、韓中首脳会談開催の有無について「APECを契機に二者会談ができるよう準備中」と述べた。文在寅大統領が12月中旬以前に訪中する可能性については「年内に可能なよう努力している」と答えた。

 イ・ヒオク成均中国研究所所長は「韓国と中国が(関係改善のための)モメンタムを見出したのではないか」として「THAADの追加配備をせず現状維持をした次の段階が韓国の戦略的意図を説明すること」と分析した。ム・ヌンホ漢陽大国際大学院教授も「韓中がTHAAD問題と関連して習近平2期スタートと同時にトランプ大統領の歴訪前にTHAADと関連した出口を見つけなければならないということに共感したのだろう」と指摘した。

 一方、韓中の北朝鮮核6カ国協議首席代表は31日、北京で就任後初めての会合を行なう。外交部はこの日「イ・トフン朝鮮半島交渉本部長は31日、中国外交部の孔鉉佑部長補佐兼朝鮮半島事務特別代表と6カ国協議首席代表協議をする予定」とし「両者は北朝鮮の核の平和的・外交的解決のための協力方案などについて深みのある議論をする予定」と話した。

キム・ジウン、キム・ボヒョプ、ノ・ジウォン記者、北京/キム・ウェヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:10/31(火) 6:53
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