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【特集】台風21号被害 法面崩壊の住宅と近鉄線の復旧

10/31(火) 14:47配信

毎日放送

台風21号で被害が出た奈良県三郷町。法面が崩れ落ち、基礎がむき出しとなった住宅は一向に復旧が進まず、今も先が見えない状況が続いています。そこに追い打ちをかけるように近鉄から配られた一枚の文書に、住民が憤懣しています。いったいどんな文書なのでしょうか。

「蟻地獄のように砂が吸い取られていった」

日本列島の各地で猛威を振るった台風21号。奈良県の三郷町では台風が過ぎ去った後、とんでもない光景が広がっていました。

「大きく崩落し、住宅の基礎部分がむき出しになっています。エアコンの室外機が宙にぶら下がっていて、非常に危険な状態です」(記者)

台風による長雨の影響で近鉄生駒線の線路わきの法面が崩れ落ちてしまったのです。住宅の基礎がむき出しとなり、排水管や杭が丸見えに。いまにも家屋が倒れてしまいそうな状態です。当時、家の中にいたAさんは恐怖におののいていたと言います。

「バキバキというような音とか、大きな音がしましたね。蟻地獄のように砂が吸い取られていった感じです」(Aさん)

窓の外はベランダで、鉢植えの花が置かれていたのですが、今となっては見る影もありません。

「家にはちょっと居れないなと。どうなるかわからないなというのが本心ですね」(Aさん)

崩れた法面は住民の私有地

法面が崩れる前はもともとなだらかな斜面が続いていた場所で、約16年前、開発業者が中腹に盛り土をして住宅地が造成されたといいます。

崩れた法面の真横を通る近鉄生駒線は一部区間で運転を見合わせていましたが、10月25日に運転を再開。近鉄はいま(2017年10月30日現在)も、現場では徐行運転を行いながら復旧工事をしていますが、実は崩落した法面は住宅の敷地で、流出した土砂は住民の所有物にあたるため、住民自らの手で補修しなければならないのです。

10月26日、奈良県の職員が現場を訪れ、住宅の危険度の判定が行われました。

「基本的にここに立ち入ってお住まいになり続けるのは危ないので」(奈良県の担当者)

調査の結果、線路沿いの住宅のうち7軒が崩落の危険性がある「危険宅地」と判定されました。

「あくまで個人宅の被害ですので、公費を投入して県が是正工事をするというのは、今すぐには難しい」(奈良県建築課 階戸精一課長補佐)

地元の三郷町にも聞いてみると…

「崩落した法面は、個人の所有となっていることから、我々自治体としてそこに関与するというのは、慎重にならざるをえないのが現状」(三郷町 安井規雄総務課長)

やはり、崩れた法面は住民の私有地にあたるため、行政が手助けすることはできないようです。

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最終更新:10/31(火) 14:47
毎日放送