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東海第2原発 17市町村「延長反対」 議会意見書

11/1(水) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

来年11月に運転開始40年を迎える日本原子力発電(原電)東海第2原発(東海村白方)について、運転期間の20年延長に反対する意見書を、県内44市町村のうち17市町村議会が可決したことが、分かった。廃炉や再稼働中止を求める意見書を可決した自治体も合わせると全体の6割の計27市町村議会に上る。延長申請の期限が今月末に迫る中、原電は申請に向けた「特別点検」を31日までに終え、最終評価を進めている。

国は東京電力福島第1原発の事故後、原発の運転期間を原則40年と規定。原子力規制委員会の認可を受ければ一度に限り最長20年間延長できるが、40年を迎える前に新規制基準に基づく審査に「合格」した上で、延長認可も受ける必要がある。

1978年に営業運転を始めた東海第2は間もなく稼働39年を迎える。国の適合性審査はほぼ終了したが、40年を超えて運転するには今月28日までに規制委に申請し、2018年11月までに認可を得ないと自動的に廃炉が決まる。

意見書は議会の意思をまとめた文書で、議長名で関係機関に提出する。

茨城新聞は県内市町村の議会事務局に取材し、11年3月の福島第1原発事故後から今年の第3回定例会までの、東海第2に関する意見書可決などの動きをまとめた。延長反対の意見書を可決したのは、土浦▽石岡▽龍ケ崎▽下妻▽取手▽牛久▽鹿嶋▽守谷▽桜川▽つくばみらい▽茨城▽美浦▽阿見▽八千代▽五霞▽境▽利根-の17市町村議会。

避難計画の策定などが求められる原発から半径約30キロ圏の「緊急防護措置区域(UPZ)」以外の自治体が大半を占めるのが特徴で、県南や県西地域の自治体が目立った。

今年6月に30キロ圏内で唯一延長反対の意見書を可決した茨城町議会は「首都圏唯一の原発で、30キロ圏内に全国一多い約100万人が生活する」と立地地域の特異性を挙げ、自治体の避難計画の策定作業が難航している点も強調、「速やかな廃止」を求めた。

ほかには「20年延長はあくまで例外。老朽化による危険性は無視できない」(利根町)、「深刻な事態が発生すれば影響は県全域、さらには首都圏全域に及ぶ」(守谷市)などの意見が出た。

一方、笠間市議会は9月定例会で、拙速に結論は出せないなどの意見が出て、延長申請に反対する請願を不採択。水戸市議会も同様の請願を6月と9月の定例会で継続審査とした。原発が立地する東海村は、再稼働や運転延長の是非に言及する請願や意見書を可決した例はない。

県内の市町村議会では福島の事故後、東海第2の廃炉や再稼働中止を求める意見書や決議を可決する動きが相次いだ。既に22市町村議会に上り、延長反対の意見書と同様、県南・県西地域の自治体が多い。

ただ他に「安易な再稼働を行わず、安全性の確認を行うこと」(水戸、坂東)などと慎重な意見書を可決した自治体もある。日立やひたちなか、鉾田などは「住民の合意(納得)が前提」とし、神栖は「将来的な廃炉」を求める意見書を可決。大子や常陸太田、常陸大宮などは再稼働反対の請願や陳情を趣旨採択している。 (戸島大樹)

茨城新聞社