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明確になった“こだわり” 携帯ショップが作るスマホ「Mode1 RS」と「Mode1 RETRO」

11/1(水) 6:05配信

ITmedia Mobile

 携帯ショップ「テルル」を運営するピーアップは10月31日、同社が開発するスマートフォン「Mode1」シリーズの新機種「Mode1 RS MD-03P」を発表した。11月11日発売で、価格は2万2800円(税別)。カラーラインアップはレッド、ブラック、ホワイトの3色。テルル店頭のほか、アマゾンとソフトバンクの+Styleで販売する。

壁紙がテールライトデザインの「Mode1 RS」

 発表では、同社の中込正典社長と商品開発部の濱島秀豪(ひでたか)部長が登壇し、9月末から販売を開始している「Mode1 RETRO MD-02P」と合わせて商品コンセプトや戦略を説明した。

●「他のスマホメーカーと同じことをしても勝てない」

 初代Mode1(MD-01P)を振り返り、「ものづくりに完全な理解をしていなかった」と反省の弁から始めた中込氏。MD-01Pの経験を生かし、訴求ターゲットをより明確にして「RETRO」と「RS」を作ったという。

 Mode1 RSはモータースポーツに関心がある人向けに作ったスマートフォン。ピーアップはレーシングチームを持っており、中込氏自身がモータースポーツ好きであることから、レース・モータースポーツ関係者に刺さるスマートフォンを作ろうと思い立った。

 Mode1 RSのスペックは、プロセッサがMediatek MT MT6737T(1.5GHz×4コア)、メインメモリが3GB、内蔵ストレージが32GBと、「初代Mode1から格段にスペックアップし、ミドルレンジと呼べる端末に仕上げた」という。ディスプレイは5型のIPS液晶で、解像度は1280×720ピクセル。バッテリーは3000mAhにして、稼働時間にも配慮した。

 「RS」のRにはRacing、SにはSpeed(速度)、Shimmer(揺らめき)、Stamina(スタミナ)の意味を込めた。

 こだわりポイントとして、13種類のオリジナルレーシングサウンドを収録。壁紙には自動車のテールライトをイメージしたイラストを3種類プリインストールした。デフォルトの背面パネルはカーボン調のプラスチックだが、プラスチック上に実際のカーボンを塗布したパネルも受注生産するという。足立区の職人によるハンドメイド品で、価格は想定で1万円前後。

 中込氏は「他のスマホメーカーと同じことをしても勝てない」と、小さい会社の弱みを打ち明けた上で収益の良いオートバイショップの例を挙げ、モータースポーツを狙う理由を説明する。

 「オートバイの売り上げは、1986年をピークとしてどんどん下がっている。その中で今でももうかっているオートバイショップは、何かとがったことをしているところ。スマートフォンでも、こだわりを持って何かをずっとやっていればお客さまに刺さるのではないか」(中込氏)

●“ガラホ”不振の二の舞にはならない

 濱島部長は、Mode1 RETROのターゲットについて、MMD研究所が公開したフィーチャーフォンユーザーのデータを提示して指摘する。

 「携帯電話ユーザーの使用機種の割合を見ると、24%がフィーチャーフォンユーザー。それも多くが10年以上使っている人たち。そういった人たちのスマホへの機種変更は約6割が『検討したことがない』という」(濱島氏)

 「これは私見だが」と前置きした上で、「キャリアが販売している『ガラホ』は、この『検討したことがない』6割のユーザーに訴求しているからうまく売れないのではないか。フィーチャーフォンと似た形をしていると言っても中身はAndroidで、タッチパネルも触れない」と指摘。

 Mode1 RETROは折りたたみ式ながら、ディスプレイをタッチ対応にすることで、フィーチャーフォン的な入力方法と持ちやすいサイズ感と、タッチパネルで操作できるスマートフォンの「いいとこ取り」をした。そのため、残り4割の「スマホへの機種変更を検討したことがあるフィーチャーフォンユーザー」に訴求できるのではないかと濱島氏は考えている。

 その狙いが功を奏したのか、販売実績は計画値の150%になっているという。

 「RETRO」という名には、「古き良きデザインとモダンな機能を併せ持つ」という意味を込めた。そのコンセプトは端末筐体のカーボン調と木目調のデザインや、オリジナル壁紙のほか、化粧箱にも反映した。

 化粧箱には、一見しただけでは気付かないが、斜めから見るとピアノだと分かるさりげないデザインを施した。壁紙も同様で、化粧箱と同じピアノデザインのもののほかに、一見幾何学模様だが実は……というものを複数プリインストールした。

 「こうした、時間をかけて少しずつ気付く仕掛けがお客さまに商品を飽きさせない、商品の“寿命”なのではないだろうか」(濱島氏)

●独自スマホの開発を継続

 「取りあえず出してみた」感のある初代Mode1に比べ、ターゲットを明確にしてきた印象を受けるMode1 RSとMode1 RETRO。ここで終わらず、ピーアップは次のモデルをRETROやRSとはまた違う角度で検討しているという。携帯ショップが作る、ある意味“異色”のスマートフォンが市場にどれほど受け入れられるか、引き続き注目したい。

 なお、Mode1 RETROは現在テルルの店頭で、MVNOの回線とのセット契約で一括0円になる場合もあるという。Mode1 RSも「魅力的な価格で」店頭販売するだろうと中込社長が明かした。

最終更新:11/1(水) 6:05
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