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高田漣 父・高田渡さんと同じレーベルから新アルバム…父の音楽に突き当たった

11/1(水) 11:00配信

デイリースポーツ

 フォーク界の伝説といわれた高田渡さんの長男、マルチ弦楽奏者の高田漣(44)が10月4日に4年ぶりのオリジナルニューアルバム「ナイトライダーズ・ブルース」をベルウッド・レコードからリリースした。ベルウッドは父・渡さんが所属していたレーベルで、いわば高田は正統な後継者として“里帰り”したことになる。

 高田は父の歌を「テレビで聴いた歌謡曲とは別物。違う種目をやっていたような気がしました。サッカーと水球ぐらい違っていたと思っていた」という。14歳でギターを始めたが「実はエレキから入ったんです。ロックでしたね。それもブルースに近いかな。ストーンズが好きでした」と明かした。父とは違った道を歩んだはずが、結局は「父がやっていた音楽に突き当たってしまいました。子供のころから聴いてきた音楽がどっかで作用してるんですかね」と笑顔を見せた。

 高田がボーカリストを意識するようになったのは、2015年4月に、父の没後10年を機にリリースしたトリュビート・アルバム「コーヒーブルース~高田渡~」だろう。高田は「それこそ父のようにギター1本で全国を回って、余分な物をそいだ骨の部分が見えてきたんです」という。

 父は酒豪というより“大酒飲み”として有名だった。酒にまつわる数々の逸話を残しているが、高田も「酒はすごく飲みますよ。父と2人で飲んだりしたこともありますよ」という。新アルバムも実は“酒”が重要なキーワードになっている。高田は「意識してなかったんですけど、並べてみたら二日酔いの朝から始まって、すったもんだあった一日が終わって、電車に乗って家に帰ろうとしたら、また飲みに行くという流れになっていたんですね」と解説した。

 アルバムには、高田が細野晴臣(70)のサポートを務めて来た縁でTIN PANがゲストで参加した。TIN PANはベースの細野に加え、ギター・鈴木茂(65)、ドラムス・林立夫(66)による音楽ユニットで1973年に「キャラメル・ママ」として結成。荒井由実(現松任谷)のバックを務めるなど、歴史的な名演奏で音楽史に名を刻んでいる。アルバムでは「Sleepwalk」と「文違い」の2曲を収録したが、高田は「3人そろってできるグルーブ感があって、ずっと聴いたきた矢野顕子さん、ユーミンさんと同じ骨組みでうれしかった」という。父も細野&鈴木とは「はっぴいえんど」時代に共演している。

 高田は「(アルバム制作は)感慨深いものがありましたね。ベルウッドのロゴも僕のおじさんが作ってるし、古巣に戻った。いや、親戚の家に戻ってきたような感じかな」という。TIN PANの録音は「僕が作ったデモテープを忠実にやってくれました。それもほぼ一発録りでした。ライブに近い、父やはっぴいえんどがやっていた時代の作り方です」という。細野には「日本音楽界の巨人ですよ。日本語のポップスをやるっていうことでは、松本(隆)さんと並んで逃れられない神棚です」と敬意を込めて感謝した。

 10種類以上の弦楽器を弾きこなし、プレーヤーとしては超一流の高田だが、新アルバムではシンガー・ソングライターとしての才能も隠すところなく披露している。父が名をはせたベルウッドから、魅力いっぱいの高田漣が飛び出した。(デイリースポーツ・木村浩治)