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入居直後から異臭「嗅いだことのない、下水のような」…遺体9人の身元特定困難か

11/1(水) 6:04配信

スポーツ報知

 白石容疑者は両親と妹の4人家族。かつては座間市内で一緒に暮らしていたが、数年前に母と妹が家を出ており、実家の一戸建て住宅には、父が一人で住んでいた。白石容疑者は、時折父のもとを訪ねていたという。

 父は自動車関連業を営んでおり、一家と旧知の男性(84)は「息子が仕事を手伝ってくれた」と自慢げに話す姿を覚えていると話した。一方、黒ずくめの服装で深夜に実家の玄関前に座り込み、携帯電話をいじる容疑者の姿を見たという住民も。最近、実家近くに引っ越して来たという若い男性は「この1、2か月で数回(白石容疑者を)見かけた。不気味に感じた」と振り返った。

 逮捕時の職業は「不詳」とされているが、かつては新宿・歌舞伎町で風俗店に女性を紹介するスカウトをしていたことも。当時は東京都豊島区内に住居を構えていたという。ツイッター上には白石容疑者の名前とともに「裏切りまくりの危険スカウト!」などという「悪評」が掲載され、顔写真も公開されていた。

 事件現場となった小田急相武台前駅から南西約500メートルにある築29年の木造アパートに入居したのは、約2か月前の8月22日。家賃は管理費込みで2万2000円だった。関係者の話によると、父とともに入居を急いでいる様子だったといい、契約した月の賃料が無料になる「フリーレント」のサービスの恩恵が少ない月末からの入居で契約を決めていた。

 部屋の窓のシャッターは閉められており、いつも換気扇が回っていたと話す人もいた。容疑者の入居直後、部屋からは「これまでに嗅いだことのない、下水のような」(同じアパートの住人)異臭がし始めたという。

 アパート周辺の白石容疑者を知る数少ない住民からは「明るく、優しく、礼儀正しい」と「見掛けるのは夜ばかり」という相反する印象が聞かれた。アパート関係者の男性は、異変には全く気づいていなかったそうで「うそなのか本当なのか分からないくらいだ」。恐怖に顔を引きつらせながら話した。

 事件現場となったのは単身者用の部屋が並ぶ木造2階建てのアパートの一室。周囲は一戸建ての住宅が目立つ。登下校の小中学生らの姿が見られるなど人通りの多い道路に面し、すぐ脇には小田急線の車両が行き交う。

 周辺住民は一様に「どんな人が住んでいるかも分からない」。立正大の小宮信夫教授(犯罪学)は「人が密集していると、何かあっても『誰かが通報するだろう』と人任せになりがち。交流のないワンルームのアパートなどで典型的だ」と指摘する。

 衝撃的な事件の解明は難航も予想される。容疑者は「浴室で遺体を解体した」と供述したが、「狭いユニットバスでできるのか」と疑問視する捜査関係者も。遺体の9人はいずれも身元不明。容疑者も詳しい身元を知らない可能性があり、特定は困難との声もある。

 9人全てについて殺人で立件できるのか、自殺願望を受けた嘱託殺人となるのかについても、供述の裏付けが重要となる。捜査幹部は「立証が難しい、時間のかかる捜査になる」と厳しい表情で語った。

最終更新:11/1(水) 6:44
スポーツ報知