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水道事業にも外資が参入~浜松市の画期的な取り組みを考える

2017/11/1(水) 17:25配信

投信1

下水道運営で外資を含む企業連合と契約した浜松市

2017年10月30日、世界の「水メジャー」の一社であるフランス水道事業運営大手のヴェオリアやオリックスなど6社の企業連合が、浜松市下水道施設の運営権売却(コンセッション)について正式契約を結んだと発表しました。これにより、浜松市は運営権対価25億円を受け取ることになります。

同企業連合は2018年4月から20年にわたり事業を担う予定で、従来の事業費と比べ14%、87億円のコストダウンを実現することを目指しています。

役所が行う業務の一部を民間に委託することはそれほど珍しいことではありません。ただし、今回は運営権を丸ごと売却する「コンセッション」というスキームが活用されているところがポイントです。

人口減や税収不足によって、今後は老朽化する上下水道などの社会インフラを維持できなくなるのではないかという不安が出てくるでしょう。一方、社会インフラ投資という名目で、それほど使われる見込みがない「箱もの」への投資にムダを感じる方も少なくはないと思います。

今回の取り組みは、コンセッション方式という仕組みを使い、民間の知恵とお金を活用してムダを減らした「稼ぐインフラ」に変えることにより社会インフラの老朽化という課題を解決していこうというもので、将来に向け注目されるのではないかと思われます。

浜松市のような取り組みはまだ少数派

ちなみに、コンセッション方式による官民連携(以下、PFI)のインフラ運営は政府が掲げる成長戦略の柱の一つとなっています。ただし、こうした取り組みが日本中で盛り上がっているかというと、必ずしもそうではありません。

昨年3月、奈良市では上下水道のコンセッション方式導入に向けた条例改正案が市議会で否決されています。また、今年3月にも、大阪市の水道事業を市から分離し、30年間の運営権を民間会社に売却する案が「公共性を担保できるのか」という慎重論が多数を占めたため、議会で否決されています

浜松市では、今回の下水道事業へのコンセッション導入に続き、将来は上水道事業への導入検討も開始していますが、これまでのところ日本で上下水道ともに実現した例はまだありません。言い換えれば、浜松市のような取り組みはまだ少数派ということでもあります。

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最終更新:2017/11/1(水) 17:25
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