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《ブラジル》ウチナー芝居・記念日祝賀公演=日本から10人来伯出演=圧巻の演技で800人惹きつけ

2017/11/1(水) 3:21配信

ニッケイ新聞

ブラジル邦字紙「ニッケイ新聞」1日付



 ブラジル沖縄県人会(島袋栄喜会長)主催の『第11回ウチナー芝居』が29日、サンパウロ市内の同県人会館で開催され、約800人が観劇に訪れた。昨年、「世界のウチナーンチュの日」が10月30日に制定されたことを記念して、日本から10人のダンサー・演奏者が来伯し、祝賀公演を併せて行なった。総勢200人の出演者が多彩な演目を披露し、5時間半に及ぶ公演は大盛況の内に幕を閉じた。


 午後2時の開演前に会場は満員となり、壁際には立ち見する観客が並んだ。第一部で当地の団体が出演。第二部では「AKEMODORO~Horizons of OKINAWA~わしたウチナーの水平線を目指して!」と題し、来伯した出演者と当地の団体による祝賀公演が行なわれた。

 第一部は約30人による三線、琉球筝の演奏と琉球舞踊で開幕。その後、沖縄方言(ウチナーグチ)による漫談、民謡、琉球舞踊、沖縄空手、獅子舞などが続いた。

 ビラカロン支部ウチナーグチ研究所による喜劇「じいちゃんばあちゃん」では、録音したウチナーグチの台詞に合わせて、演者が表情と身振りで演じた。舞台横のスクリーンにはポルトガル語訳が映し出された。

 演者の6人は全員2、3世。当初は台詞の理解に苦しんだが、約半年間の練習の末、感情のこもった演技ができるようになったという。ウチナーグチによる掛け合いやユーモアな演技で会場の笑いは絶えなかった。

 第一部は4時間に及び、第二部の祝賀公演は午後6時から始まった。

 銅鑼の音とウチナーグチの「祈りの唱」が鳴り響き、舞台では日本からの出演者らが琉球空手の動きを取り入れた切れのある舞踊を見せた。大中小の和太鼓とシンバルのドラムセットによる演奏が迫力を加えた。

 その後、創作舞踊、琉球空手、三線と太鼓のセッション、琉球舞踊、創作エイサーなどが次々と披露され、観客を惹きつけた。途中、会場から女の子2人と男性を呼び寄せ、一緒に演奏する一幕もあった。

 最後は出演者総出の「カチャーシー」。舞台上とその前ではエイサー太鼓が打ち鳴らされ、獅子舞2匹も躍り出た。客らも立ち上がって乱舞し、大団円を迎えた。

 祝賀公演の企画・構成・演出を手がけた平田大一さんは「お客さんのエネルギーに圧倒された。これは県民性というか国民性でしょうね」と笑顔で話した。

 公演の意義については、「世界中で多様なものを受け入れない風潮が強まっている。だからこそ沖縄文化の発信を通して、人と人を繋ぐ架け橋になりたい」と語った。

 島袋会長は「来年以降も『世界のウチナーンチュの日』を記念して、10月30日の前の日曜日にウチナー芝居を開催する」と展望した。

 毎年「ウチナー芝居」を観に来るという大城栄子さん(67)は「若い人がたくさん出演していて、2、3世がしっかりと文化を引き継いでいる。今後も続ければもっと盛り上がるはず」と感想を述べた。



□関連コラム「大耳小耳」□

 「世界のウチナーンチュの日」祝賀公演は、沖縄県が施策する「世界のウチナーネット強化推進事業」の一環。日本からの芸能団一行はブラジルに来る前にアメリカのロサンゼルスでも公演を行なっている。

 沖縄県文化観光スポーツ部文化スポーツ統括監の山城貴子さんは事業の目的のひとつとして「沖縄県と各国の県人会の連携を強め、ビジネスの協力関係を築くこと」を挙げた。「関係が深まれば、今まで片方だけでは出来なかったことに取り組めるかもしれない。そのきっかけとして文化交流は効果的」と話す。

 今後も他国・他地域で事業を継続したい考えだが「県人会の協力あってこそ」とのこと。記念日制定で勢いづいたウチナーンチュのつながりをぜひ強めて欲しいもの。

山縣陸人

最終更新:2017/11/1(水) 3:21
ニッケイ新聞