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【いま大人が子供にできること(63)】「ウォシュレットがないから暮らせない」と言った日本人留学生

11/1(水) 15:20配信

ニュースソクラ

お金だけ持たされて海外に捨てられたようなもの

 スウェーデン視察のあいだ、通訳のかたがずっといてくださったのですが、1日目に、最近の日本の若い人はどうなってるんでしょうか……というような(これは雑談で、ですが)ことを訊かれました。

 これは、外国へいくとほぼ100パーセント、通訳のかたに私は訊かれます。

 というのは、外国で暮らしている日本のかたは、そういう仕事をしていようといまいと、なにか日本人がトラブルと、困った向こうに、オマエ、日本人だろ、と引っ張り出されることが多いからです。

 以前アメリカにいったときは、会った瞬間(といってもいいくらいだった)ひょんなことから日本人留学生の女の子をあづかることになった通訳さんに、あづかった彼女が自殺未遂をした……

 あわてて親御さんに連絡したら、いきなり300万入金されてて、行けない のでよろしく~、というメールがきた……という話をされました。

 これが彼女の自殺未遂の原因かぁ、とは思ったものの、そりゃどうしたって

 「いま日本はどうなってるんですの?!」といいたくもなるよね。

 いまは少なくなったけど(ブームが去った?)ちょっと前まではお金つけられて外国に捨てられている一見留学生……が山のようにいたので、知らないで関わりあって痛い目にあった関係のない大人もたくさんいたことと思われます。

 今回は、去年スウェーデンに留学してきた23歳の男性に、よくこんなところで暮らせますね~!と強く強くいわれて面食らい(スウェーデンはたいそう暮らしやすい国だと思う)その理由はというと、ウォシュレットがないから、といわれて唖然とした、というものでした。
 ウォシュレットがない、こんなところでぼくは暮らせません、といわれたそうです。

 おぃおぃ……。
 頭、腐ってない?
 じゃ、クーラーなかったり、熱いシャワーがでなかったりするとこなんて論外、なわけね。
 汚いとこにも耐えられない、わけね。

 そりゃ外国行きたがらないわけだ。
 もう冒険もできなければ、井戸堀りにすら、行けないんだねぇ。
 いったいなにしにスウェーデンに留学きたんだか……。

 ニューヨークにだって、ウォシュレットはないぞ?
 そんなに必要なら買って持ってくればいいじゃんね?

 でも、じゃあ、日本で災害にあったらどうするの?
 誰にだって、災害にあわない保証はできないし、とっとと居心地のいいところへ脱出できるとも限らないよ?
 お金があっても……。
 災害のとき、こんな若いのが回りにいたらめっちゃ迷惑!

 どこで線を引くか、どこまで、できればいいのか、は難しいとこですが、とりあえず、いまの私は
 “電気なしで三日間生き延びる”
 が基準だ、と考えています。

 電気がこなくなると
・スマホ、iPad、パソコン、使えない
・灯りがつかない
・水がでない
・トイレ、使えない
・扉があかない
・エレベーターが使えない
・IHは使えない
・冷蔵庫、使えない
・ご飯が炊けない
・テレビは見られない

 になります。
東北のかたたちはまだ、生き延びる技術がありました。
日常的生活能力も高いし、一人一人が自立して動けるし、困っている人は助けようと動くだろうし、その能力もあるでしょう。

 でも、ウォシュレットがないとこでは暮らせない……のなら、他人が助けてくれるのが当たり前、当然、自分が人を助けるなんて思わない、思ったとしても経験も能力もないからできない、になるよね?

 子どもを育てる目的の一つは、自立して生き延びられるだけの能力を身につけること、です。
 もちろん、努力してもできないパーツはありますから(お年寄りに走れ、は無理でしょう)それは他の人がカバーに入らなければなりませんが……。

 親がいなくても生きていけるようにする……ために親は頑張るのじゃないでしょうか?

 お子さんがいらっしゃるのなら、こういう話を聞いたんだけど、どう思う?と一応、確認しておいてください。
 もし万が一、そりゃあウォシュレットないと……といわれたら仕方ありません。
 知識と訓練のやり直しです。
 ウォシュレット、なくても生き延びられるようにね。

■赤木 かん子:いま大人がこどもにできること(本の探偵)
1984年、子どもの本の探偵としてデビュー。子どもの本や文化の評論、紹介からはじまり、いまは学校図書館の改装からアクティブラーニングの教えかたにいたるまで、子どもたちに必要なことを補填する活動をしている。
高知市に「楽しく学校図書館を応援する会」として学校図書館モデルルームを展開中……。著書多数。

最終更新:11/1(水) 15:20
ニュースソクラ