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極めて市況が好調な工作機械、商機逃さず増産に動く

11/1(水) 14:12配信

ニュースイッチ

9月は過去最高の受注、年明け以降も見通し明るく

 景気の先行指標である工作機械の市況が極めて好調だ。日本工作機械工業会がまとめた9月の工作機械受注実績は、前年同月比45・0%増の1490億8800万円で過去最高だった。増加は10カ月連続。関連メーカーはおう盛な受注に対応するため増産に動き出している。

 ソディックはタイで放電加工機の生産能力を現在比で約20%増やす。バンコク市近郊にある生産拠点に、組み立てや検査の工場棟を新設する。世界的に工作機械の需要が増えており、現地の2工場が手狭になった。航空機部品を加工する大型機の生産スペースを確保する狙いもある。2018年初の完成を計画する。

 バンコク市近郊のチュムヌムサップの第2工場に約5億円を投じて新棟を建て、販売増に対応する。ソディックは6月の受注高が過去最高を更新したようだ。タイで生産する射出成形機を含め、販売好調が続いている。

 住友重機械工業は2019年度までに、日本や中国など世界各地で精密減速機の生産能力を増強し、全体で16年度比2倍の年30万台以上に引き上げる。ベトナムでは18年に主要部品の生産も始める。中国を中心に工場の自動化投資が活発化し、工作機械や産業用ロボットの基幹部品である減速機などの需要が拡大している。ナブテスコも精密減速機、安川電機やパナソニックはサーボモーターの生産能力を増強するなど日系各社は供給体制の整備を急いでいる。

 ファナックの稲葉善治会長は、工作機械用コンピューター数値制御(CNC)装置などを主力とするFA部門について「少なくとも2018年3月期の下期も好調な市場環境が続く」との見通しを示す。FA部門の受注は例年、6月頃にピークを迎え、年明けにかけて落ちるが、「今年はそのパターンが当てはまらない。工作機械メーカーは繁忙が続いている」という。

IoTで新たな潮流も

 一方で新たな潮流や商機を探る動きも出ている。先月に開催されたエレクトロニクス展示会「CEATEC(シーテック)ジャパン2017」には、ファナック、アマダホールディングス(HD)、ジェイテクトが初出展した。

 「なぜ有力な工作機械メーカーがシーテックに?」という疑問が生じる。既存の顧客に製品を提案するという意図はもちろんだが、会場で新技術や、新しいパートナーを発掘しようとする狙いが見え隠れする。

 IoT(モノのインターネット)では機器と、その上に実装するサービスを含めた総合力が試される。企業や社会の課題を解決したり、生活者の幅広いニーズに応えられる魅力的なサービスを実現したりするには企業単独では限界があり、他社との連携が欠かせない。

 それは製造現場でも同じだ。「IoTは当社だけでは困難。各領域ごとにパートナーと組むのが有効」と、アマダHDの磯部任社長は指摘する。同社は顧客の工場とサービス部門をつなぐ接続機器で富士通と協力し、クラウドや人工知能(AI)で米セールスフォース・ドットコムと手を組んだ。

 工場用IoT基盤「フィールド・システム」の提供を始めたファナックや、三菱電機も電機・ITメーカーとの提携戦略を進めている。

 「米アマゾンのAIスピーカーってどうなの?」。ジェイテクトの井坂雅一副社長は、AIを使って音声認識するAIスピーカーの存在が気になる様子。将来、工作機械の入力装置に活用できるものではないか、と思いをめぐらす。中小企業の事業者が導入しやすいIoTを目指す同社にとって「もっと簡単に機械加工できる」(井坂副社長)新技術は必須だ。

最終更新:11/1(水) 14:12
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