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「感謝でいっぱい」県民の台所・農連市場 最後を胸に刻む

11/1(水) 10:35配信

沖縄タイムス

 「県民の台所」として親しまれた那覇市樋川の農連市場には31日、店じまいする店子(たなこ)や、閉鎖前に市場の最後を目に焼き付けようと訪れる人の姿があった。「アジアのような雰囲気が好き」「さみしくなる」などと別れを惜しんだ。台風や工事遅れの影響で引っ越しが遅れている店舗の移転が終わり次第、閉鎖される。1日は新設された「のうれんプラザ」が本格オープンする。

 那覇市与儀から訪れた平良昇さん(79)は、調理師として農連市場に通った経験がある。「15年ぐらい県外に行き、帰ってきた時に変わっていなかった市場を見てほっとした。さみしくなる」。故瀬長亀次郎さんの演説を聞いたのも農連市場だ。「あの時は足の踏み場もなくて、本当ににぎやかだった」と振り返った。

 子ども時代に母親と一緒に座り、作ったゴーヤーなどを売っていたという桃原明世さん(40)=南風原町=は閉鎖を知って訪れた。「約30年ぶりだけど、覚えている光景がある。アジアのような雑多な感じがすごく好き」と懐かしみ、「おかあを連れて来よう。いつまで入れるかな」とつぶやいた。

 農連市場で48年働き、この日が最後の仕事となった店子の大城悦子さん(71)=浦添市=は、取引先の農家や家族からたくさんの花束、退職記念の贈り物をもらった。「感謝でいっぱい。泣かないつもりだったのに、たくさん泣いたよ」と目を細め、店の片付けを進めた。

最終更新:11/1(水) 10:35
沖縄タイムス