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[MOM481]びわこ成蹊スポーツ大MF堂安憂(4年)_「場所は違うけど負けたくない」、弟追う兄は初優勝目指し奮闘中

2017/11/1(水) 11:20配信

ゲキサカ

[10.31 第95回関西学生L後期第8節 びわこ成蹊スポーツ大1-0立命館大 西京極]

 首位を走るびわこ成蹊スポーツ大にとって、立命館大戦は勝てば、インカレ出場圏内である4位以内確定がグッと近づく重要な一戦。貴重な決勝ゴールを呼び込んだのは、来季からAC長野パルセイロ加入が内定しているMF堂安憂(4年=創造学園高)の働きだった。

「ボールを回されることは分かっていたし、自分たちは守備のチームやから、粘り強く守って、ショートカウンターを狙っていこうと思っていた」と振り返る通り、試合序盤の狙いは明確。高い位置からの守備でボールを奪うと、手数をかけずにゴールを狙い、相手の出鼻を挫こうという考えだった。

 作戦の急先鋒として期待された堂安は、開始から積極的な守りでチームに貢献しつつ、ボールを持てば、スピードに乗った突破で、サイドから相手ゴールに迫った。すると、前半10分には、DF柳田健太(4年=熊本ユース)のパスから、右サイドを飛び出し、中央にパスを配給。ゴール前に低く入ったボールは相手に当たって、ゴールネットを揺らした。

 オウンゴールながらも、「狙い通りといえば、狙い通り」の形で、先制点を奪ったが、後半は地力で勝る立命館大が猛攻を展開し、耐える展開となった。堂安は後半の序盤に訪れたチャンスを活かせなかったが、DF宮大樹(4年=清明学院高/神戸内定)を中心に粘り強くゴールを守るDF陣をサポートするため、自陣ゴール前まで懸命に戻り、逃げ切りに貢献。本人は「決めるべき所で決めきれなかった」と出来を悔やんだが、僅差での勝利に彼の存在は不可欠だった。

 今でこそ攻守両面での貢献が目立つが「守備が嫌いだった」と振り返るように、高校時代はボールを持てば誰よりも眩い輝きを放つものの、守備での貢献は一切、計算できない選手だった。大学に入ってから、指摘されるのも、そうした部分。学年が上がるごとに、積極的なチェイシングが増えてきたが、昨年は「守備で疲れて、攻撃をするパワーが残っていなかった」と持ち味を失っていた。

 だが、今は「4年間言われ続けたことやから、さすがにやらなアカン。今は走りに自信があるし、どれだけ走ってもしんどくない」とハードワークとらしさの両立を当たり前のように、こなしている。

 望月聡監督が成長を感じるのは、最後まで仕掛ける姿勢。「普通なら試合終盤は疲れているから、仕掛けるのを辞めて、パスで逃げそうな所を、堂安は90分間仕掛けることができる。守備をしながら、あれだけ仕掛け続けるのは凄い」と称える。

 仕掛け続ける理由について、堂安は「守備はしんどいなと思いながらやってるけど、自分はドリブルしたい派やから、ボールを持ったら元気になる。その分、ドリブルが終わったら、アホほど疲れるんですけど、持ってる時は何とも思わない」と明かす。

 成長と共に自信も深まっている。3年生の頃は「サッカーはもういいかなって思っていた」と就職を考えていたというが、今年に入ってから、得点やアシストを量産するうちに「サッカーが面白かったし、大学で辞めたくなかった」と考えが変化していった。そこから、“蹴活”に励んだ結果、9月に長野への加入が内定。長野県は高校時代を過ごした地であり、「まさか戻ることになるとは思っていなかった。縁があるなと思った」。

 プロでも1年目から試合に出る自信はあるが、望月監督が「もっと出来る。4年生で、プロに進むなら(点を)決めきれないといけない」と指摘するように、課題は決定力の向上で、この日も決定機を逃がす場面が目に付いた。堂安自身にも自覚はあり、「律(堂安律)はちゃんと決めるし、持ってる。調子が悪くても、なんか点を獲ってる。そこが差なのかなと思うし、学ぶべき所はいっぱいある」とオランダのフローニンゲンで活躍する弟を引き合いに出し、苦笑いする。

 ただ、「場所は違うけど、負けたくない。律が点を決めると自分も決めたい気持ちが強くなる」とプライドも覗かせるように、一足先に世界へと羽ばたいた弟との差を今のままにするつもりはない。一歩でも近づくための布石として、まずはびわこ大のリーグ初優勝を狙っていく。

(取材・分 森田将義)

最終更新:2017/11/1(水) 11:20
ゲキサカ

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