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戦略特区でふん尿発電、植物工場も併設して地域活性化を目指す

11/2(木) 7:10配信

スマートジャパン

 国家戦略特区に指定されている兵庫県養父(やぶ)市で、家畜ふん尿や食品残渣(ざんさ)などを原料に利用するメタン発酵発電所の建設が始まった。建設不動産事業などを手掛けるトーヨーグループの関連企業トーヨー養父バイオエネルギーが建設する発電所で、完成は2019年3月を予定している。地域特有のバイオマス資源を利用した発電事業だけでなく、地域ブランド野菜の生産、エネルギーの地産地消までを見据えるプロジェクトだ。

 養父市はブランド牛「但馬牛」の飼育が盛んで、食用の若鶏である「ブロイラー」発祥の地としても知られる。こうした畜産業が盛んな地域で課題となるのが、家畜のふん尿の処理だ。

 トーヨー養父バイオエネルギーが建設するメタン発酵発電所では、市内で発生するこうしたふん尿や、兵庫県内の食品加工会社の食品残渣を活用して発電を行う。ふん尿や食品残渣をメタン発酵させてバイオガスを取り出し、これを燃料として発電を行う仕組みだ。燃料が不足する場合は、パーム油を活用する。

 発電所は養父市大藪の約9900m2の土地を利用して建設する。発電出力は1426kWで、年間発電量は1200万kWhを見込む。3300世帯以上の年間使用電力量に相当する発電量だ。発電した電力は電力会社に売電を行う。発電開始は2017年9月の予定だ。

 なお、ふん尿や食品残渣をメタン発酵処理した後に残る液肥は、有機質肥料として同地域で作る特別栽培米や、その他の野菜栽培にも活用していく。

最先端の植物工場を建設、地域雇用も促進

 プロジェクトの一環として、2018年中にメタン発酵発電所の隣接地に、最先端の植物工場の建設も行う。同じくトーヨーグループのトーヨー養父農業生産法人が運営するもので、トマトを栽培する計画だ。アグリ事業も手掛けるトーヨーグループのノウハウを生かし、最新鋭のハウス施設栽培技術で養父市のブランドトマトの確立を目指すという。

 トマトの植物工場では、メタン発酵発電所の排熱も活用していく。トマトの栽培に必要な環境を整えるため暖房費がかさむ冬季を中心に活用し、エネルギーコストの削減を図る計画だ。

 トーヨー養父バイオエネルギーでは、メタン発酵発電所と植物工場などの各施設の運用により、地域雇用の創出にも貢献するとしている。発電所では10人の正社員を雇用予定だ。さらに将来は新電力を活用したエネルギーの地産地消に取り組むことも検討していく方針だ。