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柔道・鈴木桂治さん ファンのALS患者をサプライズ訪問

11/2(木) 6:01配信

上毛新聞

 アテネ五輪の柔道男子100キロ超級で金メダルを獲得した鈴木桂治さん(37)が1日、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘う群馬県伊勢崎市三光町の板橋敦子さん(55)をサプライズで訪問した。首から下がほぼ動かせず、6日に胃ろうの手術を控える板橋さんは鈴木さんの長年のファン。「勇気づけられた。自分の未来を少し前向きに考えられるようになった」と目を潤ませた。

「勇気もらった」 板橋さん(伊勢崎)

 「えー、びっくり。夢みたい」。午後4時ごろ、家族や友人と過ごしていた居間にスーツ姿の鈴木さんが突然姿を現すと、部屋の外まで響く歓声を上げ、目を見開いた。

 鈴木さんはたくましい両手で、ベッドから動けない板橋さんの左手を包み、「触ったのは分かるんですか」と質問。「分かります。まさか触れてもらえるなんて。本当にありがとう」と興奮を抑えきれない様子だった。

 約30分間の交流を楽しみ、鈴木さんは「辛い時もあると思うけど、頑張ってください」と優しく語りかけた。左腕に油性ペンでサインしてもらい、「手術は怖かったけれど、これを見ていれば頑張れる」とはにかんだ。

 2人の懸け橋になったのは前橋東高柔道部監督の今川直明教諭(57)。鈴木さんと同じ国士舘大柔道部出身で、板橋さんの長男、盤(ばん)さん(21)の恩師でもあったことから、夢をかなえようと奔走した。鈴木さんは「病気や障害があることを言いにくい社会になってほしくない。少しでも前を向くきっかけになればうれしい」と話していた。

 ALSは運動神経系の変性によって体を動かすことが難しくなる進行性の難病。板橋さんは2015年秋から異変を感じていた。

 鈴木さんはこの日、前橋東高の創立記念式典で講演。謙虚さが大切だと説き「成功するには決して諦めないこと。夢を大きく持ってほしい」と語った。

上毛新聞社

最終更新:11/2(木) 6:01
上毛新聞