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特殊鋼専業5社の4~9月期、そろって大幅増益

11/2(木) 6:01配信

鉄鋼新聞

 特殊鋼専業5社の2017年4~9月期連結決算が出そろった。自動車、建産機の堅調な需要を背景に5社そろって増収増益となった。鉄スクラップなど原燃料価格の上昇には販売価格是正で対応、数量増とコストダウン効果が利益を押し上げた。下期も高水準の生産が続きそうだが、電極や耐火レンガなど副資材価格の高騰という新たな懸念材料が出てきている。

大同特殊鋼
 特殊鋼鋼材の売上高は903億円で前年同期比15・7%増。売上数量(単独)は65万トンで11・8%増。構造用鋼、ステンレス鋼、工具鋼ともに増えた。
 全社の経常利益は93億円増加した。減益要因は原燃料などの市況上昇(81億円)と固定費増(8億円)。増益要因は販売価格是正(74億円)、販売数量増加(61億円)、受注構成改善(36億円)、変動費改善(9億円)など。
 部門別営業利益は特殊鋼鋼材47億円(83・6%増)、機能材料・磁性材料107億円(43・7%増)、自動車部品・産業機械部品11億円(前年同期は16億円の赤字)。
 通期の経常利益予想は360億円に上方修正。特殊鋼鋼材の販売数量予想(単独)は131万8千トン(8・1%増)。
愛知製鋼
 特殊鋼鋼材(鋼カンパニー)の売上高は528億円で前年同期比14・8%増。売上数量(単独)は39万9千トンで7・1%増。鍛造品(鍛カンパニー)は売上高523億円で6・7%増、売上数量(単独)は14万4千トンで1・3%増。
 全社の営業利益は12億円増加。鉄スクラップなど購入品価格上昇(61億円)、経費増加など(10億円)の減益要因があったが、販売数量増(9億円)、販売価格是正(54億円)、前々期の災害起因の原価悪化からの回復(19億円)などにより増益となった。
 部門別営業利益は特殊鋼鋼材51億円(15・8%増)、鍛造品13億円(20・7%増)、電磁品(スマートカンパニー)2億円(2・67倍)。
 通期の経常利益予想は95億円。
山陽特殊製鋼
 素形材を含めた鋼材販売量は52万8千トンで前年同期比3万5千トン増。自動車、建産機など製造業向けが堅調だった。
 全社の経常利益は17億円増。スクラップなど原燃料価格上昇(53億円)を、販売価格是正(37億円)と販売数量増(13億円)でカバー。固定費減(5億円)、変動費コストダウン(5億円)、為替変動要因(7億円)が利益を押し上げた。
 部門別営業利益は鋼材55億円(前年同期は46億円)、粉末5億円(同4億円)、素形材5億円(同2億円)。粉末は第2工場稼働に伴う減価償却費増があったが販売数量増や受注構成改善で増益。
 通期経常利益予想118億円は変えていない。
三菱製鋼
 特殊鋼鋼材事業の売上高は前年同期比41%増の257億円。販売数量(内販を含む)は5万トン増の22万9千トンで、前下期と比べると2万1千トン増えた。営業利益は2・5倍の11億円。原材料価格上昇を販価是正でカバーしきれなかったが、建設機械向けの数量増効果が利益を押し上げた。
 ばね事業の売上高は13%増の241億円。営業利益は50%増の4億8千万円。建機、自動車向けが堅調。
 素形材事業の売上高は3・5%増の49億円。営業利益は89%減の2100万円。合金サーチャージ制を採っているため、販価改定がコバルトなど原材料価格上昇に追いつかなかった。機器装置事業は電力機器の売上減で減収減益。
 通期経常利益予想は
35億円。
日本高周波鋼業
 特殊鋼部門の売上高は前年同期比10%増の139億円。販売数量は工具鋼が500トン増の1万6千トン、特殊合金が1500トン増の8100トン、軸受鋼が600トン増の1万6600トン。原燃料コストは上昇したが、売上数量増と販売価格改善でカバーし、営業利益は3億9千万(前年同期は9千万円の赤字)となった。
 鋳鉄部門は売上高47億円(19%増)、営業利益3億4千万円(25%増)、金型・工具部門は売上高10億5千万円(2・6%減)、営業利益1200万円(79%減)。
 通期経常利益予想は15億円に上方修正した。

最終更新:11/2(木) 6:01
鉄鋼新聞