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石井竜也、アーティストとは「虚構を見せる仕事」 ソロ20周年を迎える言葉の真意とは

11/2(木) 6:20配信

クランクイン!

 今年でソロデビュー20周年を迎える石井竜也が、海外ドラマ『シカゴ』シリーズ3部作に、日本版エンディングテーマとして3曲同時に提供した。所属する米米CLUBで、92年にダブルミリオンを記録した『君がいるだけで』にて知名度と国民的人気を得た石井は、2017年の今も歩みを止めない。そんな彼に、「アーティストとはどんな職業か」と尋ねると、やや考えた後「虚構を見せる仕事」と答えた。大きく羽ばたき続ける石井の見つめた世界から生まれた、その言葉の真意とはー。

【関連】「石井竜也」インタビューの様子


 今回、石井が提供した楽曲は、どれも作品の魅力を押し広げるような絶妙な選曲だ。消防士を主人公にした『シカゴ・ファイア』には、アップテンポな「希望の未来へ」が選ばれた。理由を聞けば、石井は、「消防士は火に飛び込んで、ひとりでも多くの人を助けるから、俺たちの目には見えない陰の部分で必死に支えていますよね。その小さな未来、光を応援したくて」と、思いを口にする。『シカゴ・ファイア』から生まれた、警察を舞台にしたスピンオフ第1弾の『シカゴ P.D.』には「警察官は暗部に入っていく勇気も持っているし、自分が死ぬかもしれない。そこに、あまり能天気な曲は似合わないと思った」ということで、どこか物哀しい曲調の「砂の中の宝石 ~放浪者~」をセレクトした。さらに、医療現場にフォーカスしたスピンオフ第2弾の『シカゴ・メッド』には、石井の伸びやかな歌声が心地いい、壮大なバラード「虚構の光」を捧げている。

 「3曲ってなかなかないですよね(笑)?今インタビューを受けつつ、『すごいことになっちゃっているな』と思った!」と、笑顔でコラボレーションを振り返る石井。日本でも多くのファンを持つ『シカゴ』シリーズには、例に漏れず自身も夢中だと言う。「『ファイア』や『メッド』の仕事は、どの街でもそんなに変わらない気がしますが、一番変わるのが、たぶん警察官。シカゴは相当荒れた時代もありましたし、アメリカの縮図なのかなと思います。シカゴという街並みや、歴史、特性が一番見やすいのが『P.D.』という気がしますね」と、作品のレコメンドを熱く語り続ける。

 そして、冒頭で触れた「アーティストとはどんな職業か」の問いに返ってきた「虚構」について詳しく聞けば、「虚構というのは、簡単に言ったら嘘で、ファンタジ-なんです。何を作るにしても、何かを感動の視点から見た瞬間に、すでに虚構だと思っていて。特に俺たちの歌の仕事は1曲3分の中に、人生観を入れなきゃいけない。入れるために、その人の人生の一部分を切り取るんです」と、丁寧に解説してくれた。「例えば、その人が一番キレイに輝いているときを見るよりも、その人の後ろ側に行って陰を見たほうがいい。その場所を吸い取って歌にすると、3分の歌の中にもちゃんと人生が入っていけるんです」と目の前で情景を描くかのように、なめらかな言葉で伝える。繰り返しになるが、20年もの間、第一線の表舞台で板の上に立っている石井の言葉は、説得力を持って心に届く。


 歌うこと以外に、石井は映画監督や芸術家という面も持っている。創作活動の源を問うと、「発想は、いろいろなところにありますよ。ものを作るときは、できるだけ自分の身の回りにあるものからヒントを得たほうが、いつでも研究することができるし、深く見ることができる」と、必然を語る。ものの見方も、とても興味深い。「例えば、海外旅行に行っても、僕は壁とかの写真を撮っていたりするんですよ。壁が壊れて、またその上から壁を作って、補強をするために、またもう一度壁を作る。不順列に割れている姿を見ると、この家を守るために家主たちは壁をこんなにまでして作っていたんだな、と感じてジーッと見ていたりして」と感性のスイッチを全開にした。いつまでも、鋭利なインスピレーションで私たちを楽しませ、驚かせてくれる石井竜也。30周年、40周年にも期待したい。(取材・文・写真:赤山恭子)

 『シカゴ』シリーズ3部作は、海外ドラマ専門チャンネル放送AXNにて『シカゴ・ファイア』シーズン4は11月2日より毎週木曜22時ほか、『シカゴP.D.』シーズン3は11月3日より毎週金曜22時ほか、『シカゴ・メッド』は12月9日より毎週土曜22時ほか放送。石井が歌うエンディング曲は、現在発売中のニューアルバム『DIAMOND MEMORIES』に収録されている。

最終更新:11/2(木) 6:20
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