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難民の子に希望を シリアに「富山学校」開校

11/2(木) 5:00配信

北日本新聞

■県民の募金で開校

 中東シリア北西部にある難民キャンプに、「富山学校」という名の小学校がある。富山から子どもたちに希望を届けようと、富山ムスリムセンター代表理事のサリム・マゼンさん(43)が、県民の募金などを元手に9月に開校した。約200人の児童が、遠く離れた富山の人々への感謝を胸に、勉強に励んでいる。ただ、運営資金はまだ不足しており、4日には富山市内でさらなる支援を呼び掛けるチャリティコンサートが開かれる。

 マゼンさんはシリア・ダマスカス出身。紛争が絶えない母国の状況に胸を痛め、「戦争しか知らない子供たちを平和に導かなければ」と、1年前から学校建設の準備を始めた。県内外でイベントを開いたり、クラウドファンディングで支援を募ったりして資金集めに奮闘してきた。

 富山学校は募金と同センターの自己資金を合わせた約400万円で、北西部のイドリブ県に建設した。倉庫を改築し、机や教科書は破壊されたシリア内の学校から持ち込んで、9月20日に開校した。

 教室では1~6年生の約200人が英語や理科、算数を学ぶ。家族を亡くし身寄りの無い児童も多いため、カウンセリングで心のケアに努め、休日には教員らと運動やゲームを楽しんでいる。

 教室内には富山城や海王丸など、県内の風景写真が貼られている。児童らは「恩返しに一生懸命勉強して、世界の平和を作ります」と約束しているという。マゼンさんは、いずれは県内の小学校との文通などの交流も考えている。

 今後は児童数を300人まで増やし、給食の提供も検討しているが、運営費は足りない。マゼンさんは「約1万円でシリアの1人の子どもが1年間勉強できる。少しでも世界に目を向けて」と募金を呼び掛ける。振込先はゆうちょ銀行三二八店普通1804948「トヤマガッコウ」。

 4日はシリア難民支援に取り組む富山市のNGO「アジア子どもの夢」が、北日本新聞ホールでチャリティコンサートを開く。マゼンさんとシリアを訪れたことのある、同NGOの川渕映子代表は「音楽を楽しみながらボランティアに協力してほしい」と話している。(編集局・宮田佳歩)

北日本新聞社

最終更新:11/2(木) 5:00
北日本新聞