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羽生結弦。男子フィギュアスケート新世紀へ、時代を切り開く伝説の演技~フィギュアスケート、あのとき~Scene#5

2017/11/7(火) 11:30配信

VICTORY

羽生の演技が引き上げた限界、いざ平昌へ

NHK杯の演技のおよそ2週間後、GPファイナルで伝説が繰り返されるとは誰も予想しなかっただろう。羽生はSP・FS共にもはや満点に迫る演技を披露し、2週間前に記録した自身の世界最高得点を更新した。

また、GPファイナル男子FSは歴史に残る名試合だった。羽生は「みんなが良い演技をした上で一番になりたい」と語っているが、羽生にとって、まさにそんな試合だっただろう。

翌シーズンの昨季は、羽生に引き上げられるように、多くの選手がより高難度のジャンプに挑み、羽生同様に加点を得るべく、ジャンプの前後に工夫を凝らしていった。

勝負の五輪シーズンの今季、羽生は“傑作”とも言えるSP『バラード第1番』とFS『SEIMEI』を再び選んだ。再演ではあるが、当時とは違うものになっている。

この2シーズンの間に、羽生は新技の4ループを決め、さらに今季に入り先日のGPシリーズ1戦目ロシア杯で4ルッツを初成功させている。ジャンプ技術が向上し、構成が大きく変わった。

それだけではない。羽生の演技には新たな“色”が加わったように思える。

記憶に新しい昨季のFS『Hope&Legacy』は、音楽がプログラムを盛り上げるのではなく、羽生自身の滑りで盛り上げていかなければならない、難曲だった。羽生はその『Hope&Legacy』を、世界選手権で現世界最高得点の演技として完成させた。羽生が表現面で昨季得たものは非常に大きく、『バラード第1番』も『SEIMEI』も、両プログラムで一つひとつの動作に深みが増したように見える。

ロシア杯を終え、課題と収穫を得た羽生。これからシーズンを進むごとに、羽生にしかできない、質の高い演技を突き詰めていくのだろう。シーズン2戦目となる今週末のNHK杯(11月10-12日、大阪)での演技にも注目が集まる。“挑戦者・羽生結弦”の平昌五輪シーズンはまだ始まったはばかりだ。

Pigeon Post ピジョンポスト 中田みな

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最終更新:2017/11/7(火) 13:55
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