ここから本文です

<夫婦別姓訴訟>「生き方選ばせてほしい」サイボウズ社長

11/9(木) 12:40配信

毎日新聞

 日本人同士の結婚だと同姓か別姓かを選択できないのは「法の下の平等」を定めた憲法に反するとして、ソフトウエア開発会社「サイボウズ」(東京都中央区)の青野慶久社長(46)ら2人が、国に計220万円の損害賠償を求め、来春にも東京地裁に提訴する方針を固めた。

        ◇

 青野さんは2001年、結婚する際に「名前が二つあったら面白い。人がやらないことをやってみよう」と、妻の姓を選んだ。

 妻の希望もあり、ベンチャー精神で決めたが、改姓して初めて、戸籍名と通称を使い分けることの不便さを痛感。社会に向けて選択的夫婦別姓制度の導入を求める発言を繰り返してきた。

 社員から「結婚式に呼ぶとき、案内状の宛名はどう書けばいいですか」と聞かれる度に「青野で」と説明しなければならない。取引先が海外のホテルを「青野」で予約していたため、フロントでパスポートを提示した際に「予約はない」と言われ、トラブルになった経験も。さらに、姓が違うという理由で宅配業者に荷物を持ち帰られたこともある。

 青野さんは「夫婦げんかの度に『俺は姓を変えたのに』と思ってしまう。どんな名前で生きていくのかを選ばせてほしいだけ。これからの日本は多様性を認めていくことが大事だ」と力説する。

 もう一人の原告女性は、全国的に珍しい姓に愛着を持って育った。結婚で姓を失ったときに感じたのは「この世界に自分はもう存在しない」という絶望感。今も思い出しては涙が出る。「古い世間体や、男性が改姓すると働きづらくなる事情から、9割の女性が夫の姓を選択している。夫婦同姓は形を変えた性差別と感じる」と話す。

 旧姓で築いたキャリアや信頼を失うことを恐れる人や、愛着のある旧姓を名乗れず苦痛を感じる人は増えている。毎日新聞の15年の全国世論調査では、夫婦別姓を選べる制度に「賛成」は51%で、「反対」の36%を上回った。

最終更新:11/17(金) 12:15
毎日新聞