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ハリルジャパン、“タレント軍団”ベルギー対策は?ポイントは豪州戦の再現

11/14(火) 14:08配信

GOAL

ロシアワールドカップ本番まで7カ月。欧州組が加わった日本代表が挑める親善試合は残り3~4試合しかない。10日のブラジル戦(リール)で1-3という結果以上の惨敗を喫した日本にとって、14日のベルギー戦(ブルージュ)は底力が問われる大一番。

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ブラジル相手に露呈したメンタル面、そして守備戦術の課題をいかに克服するのか。そこが最重要テーマになるのは間違いない。

■注目の布陣は?

ブラジル戦の後、11日にベルギーのブルージュへ移動したヴァイッド・ハリルホジッチ監督と選手たち。だが、移動途中でバスがぬかるみにはまり、車に分乗して現地入りする羽目に。さらに、12日のトレーニングは雹が降りしきる悪天候に祟られ、紅白戦が途中で打ち切りとなるアクシデントに見舞われた。十分なベルギー対策もできず、吉田麻也(サウサンプトン)が「どこで前から行くのか、引いて守るのか。それを監督と話し合わないといけない」と危機感を募らせるほど、チームには不安が漂っている。

それでも、ブラジル戦と同じ轍を踏むわけにはいかない。今回は右ひざ負傷を抱え、前日も別メニューで調整していた長谷部誠(フランクフルト)の欠場が濃厚。GK川島永嗣(メス)、DFは右から酒井宏樹(マルセイユ)、吉田、槙野智章(浦和)、長友佑都(インテル)が入り、アンカーに山口蛍(C大阪)、インサイドハーフに長澤和輝(浦和)と井手口陽介(G大阪)、右FWに浅野拓磨(シュツットガルト)、左FW原口元気(ヘルタ)、1トップ・大迫勇也(ケルン)という陣容で挑む可能性が高い。傑出した統率力を擁するキャプテン不在でも勇敢さを持って戦うことが求められる。

「ロシアではブラジル、ベルギーのような強いチームと当たるかもしれない。そんな相手にしっかり自信を持って勇敢に対戦できるようにしないといけない。それができないのであれば、私は彼らとは戦えない」とハリルホジッチ監督は前日会見で語気を強めるほど、選手たちの自覚を強く促していた。そのうえで、いかにして積み上げてきた守備組織を機能させるのか。そこを真剣に模索しなければならないだろう。

■ベルギーの3-4-3対策は?

ベルギーは3-4-3システムが想定され、現地紙の予想では、GKミニョレ(リバプール)、DFデンドンケル(アンデルレヒト)、カバセレ(ワトフォード)、フェルトンゲン(トッテナム)が入り、ボランチにヴィツェル(天津権健)、デンベレ(トッテナム)、右アウトサイドにムニエ(PSG)が、左アウトサイドはヤヌザイ(レアル・ソシエダ)が入り、2シャドウにデ・ブルイネ(マンチェスター・C)、メルテンス(ナポリ)、1トップにルカク(マンチェスター・U)が入るという。

ただ、前日会見でロベルト・マルティネス監督はエデン・アザール(チェルシー)もプレー可能な状態であることを口にしているため、彼もピッチに立つ可能性がある。逆に12日の練習時に指揮官の戦術を「守備的すぎる」と批判したデ・ブルイネが外れることも考えられるため、メンバー予想はしづらい。

チーム内外から不協和音も聞こえており、彼らが一体感を保てるかどうかも分からない。それでも、個人能力の高さだけは傑出しているのがベルギー。それを出させてしまったら、ブラジル戦の二の舞になりかねない。

日本は12日のトレーニングで3-4-3対策にトライしたが、山口蛍が「前からほとんどはまらなかった」と吐露したように、プレスのかけどころ、ボールの取りどころが明確でなかった。この状況を踏まえ、ミーティングで長時間のディスカッションが行われたという。

ハリルホジッチ監督は「選手からそのことで質問を受けた」と明かしたうえで、「ブロックにはハイプレス、ミドルブロック、ローブロックと3つあるが、それは自分たちが決めるものではなく、相手を見ながら状況によって形成するもの。私が決めるものでもありません」と選手たちの臨機応変な判断に委ねたという。

これを受けて、彼らは13日の前日練習で意見を出し合い、プレスのかけ方を修正。「練習していてかなりいい手ごたえがあった」と原口が口にすれば、「みっちり練習したので明日が楽しみです」と大迫も不敵な笑みを浮かべる。ベルギー戦では劇的な前進が見られるかもしれない。

3-4-3のベルギーと4-3-3の日本では、どうしてもミスマッチが起きてくる。例えば、1トップの大迫は3バックと1対3の数的不利を余儀なくされるが、中盤は3対2で優位に立てる。日本のインサイドハーフがボランチのヴィツェルとデンベレの自由を奪い、ボールをインターセプトして相手の弱点であるサイド裏のスペースを突くことができれば、大迫がゴール前でフリーになる確率は高まる。中盤の長澤、井手口がゴール前に飛び込んでシュートといった形も作れるだろう。

■ポイントは豪州戦の再現

「ベルギーは3-4-3だったり、3-5-2だったりしますけど、オーストラリア戦でも相手は3-4-3でやってきた、あの時のいいイメージがある。ベルギーが相手になった時、個々の能力で言えば明らかにオーストラリアより上。世界トップと言ってもおかしくないメンバーが揃っているので、その相手にどうプレッシャーをかけるかという共通意識を持ってやっていくことが大事だと思います」と長谷部は強調していたが、確かにロシアW杯アジア最終予選・オーストラリア戦のように両インサイドハーフが相手を制圧できれば、日本は必ず優位に立てる。

その一翼を担う井手口も「僕のポジションがスイッチを入れる役目をやっていかないといけない。後ろの選手に頼りっ放しじゃなくて、僕がFWを動かしていければもっといい。格上の相手とやって、中途半端に行ってもボールを取れないことはブラジル戦でよく分かった。そこはハッキリしないといけない」とより積極的に自分からアクションを起こしていく覚悟を口にした。そうやってキーマンたちがコミュニケーションを密に図れれば。ブラジル戦と同じ轍を踏むことは回避できるはず。あわよくば、2013年11月のベルギー戦(ブリュッセル。3-2で勝利)の再現を見せられることもあり得るのだ。

そのゲームに出ていたベルギーのムニエは「日本と対戦するのは2度目だが、負けた嫌な思い出がある」と屈辱感を今も胸に抱いているという。その試合に出ていた多くの選手が同じ思いだろう。気合を入れてくるベルギーに肩透かしを食らわせるような頭脳的なサッカーをして、速い攻めから先手を取ることができれば、今度こそ試合は面白くなる。ブラジル戦でできなかった「相手を本気にさせるゲーム」を披露し、ロシアにつながる布石を打つことが求められる。

取材・文=元川悦子

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最終更新:11/14(火) 14:08
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