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【直前プレビュー】ベルギー戦のテーマは「One for All, All for One」…世界で結果を出すための日本人らしさとは

11/14(火) 19:13配信

GOAL

ハリルジャパンが直面した世界の壁――。先のブラジル戦では強さ、スピードを含めた世界トップクラスの力を見せつけられる形となった。日本代表が“個”の部分で劣るのは否めない事実。だが、サッカーは一人で戦うスポーツではないこともまた真実だ。

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「ブラジル戦の前半で自分たちがやらなければ、相手にやられることが分かった」と話したのは、ブラジル戦の戦況をベンチで見守っていた酒井高徳。ハンブルガーSVのキャプテンとしてワールドクラスのアタッカー陣と日々対峙してきた経験から、日本代表に欠けているものを指摘する。

「11人が意思統一してスペースを守っていても、相手はそれを覆してくる強さ、高さ、速さを持っていることが分かった」

“個の力”に対して組織で対応する。まさに歴代の日本代表が取り組んできた戦い方だ。だが、共通認識とポジショニングだけでは世界で結果を出すことはできなかった。酒井高は「まずは本質をしっかり理解する必要がある」と説く。

「大事なのは戦術どうこうよりも、まずは自分の目の前にいる選手に何もさせないこと。その上でチームとしての一貫性がある。スペースだけを気にしていたらやられてしまうので、ブラジル戦の後半のように人にしっかりと寄せたり、一人が“二度追い”するような形を作って相手に自由な時間を与えないようにしなければならない。ここは前からボールを取りに行っても、後ろでブロックを作っても同じ。まずは対峙する選手とのマッチアップに負けないこと。そしてボールホルダーに一番近くでプレーする選手がどれだけ自由にさせず、選択肢をいかに減らすことができるか」

まずは個人のところでボールを取り切れそうな場面を作る。それがダメなら次の選手が奪う。それでもダメなら三人目が狙う。ここはヴァイッド・ハリルホジッチ監督もブラジル戦に出場した選手も同じ意見を持つ。こういった局面を増やしながら11人全員の意思統一を図ることが、日本が強豪国を撃破するためのポイントになる。だからこそ積極性を取り戻したブラジル戦の後半に光を見たのだろう。

自信と勇気を持ってプレスを仕掛け、相手から自由を奪う。長友佑都が「後半はあのブラジルがパスをつなげず、ロングボールを蹴ってきていた」と手応えを語ったように、間違いなく一定の成果を見せることはできた。点差が開いて相手がテンションを緩めた部分があったとはいえ、それでも自由にさせなかったことに今後の可能性を感じさせたわけだ。

では、ベルギー戦でハリルジャパンが勇敢な戦いを見せるためのポイントはどこにあるのか。

「ゲームの状況を把握して判断しろ」

ブラジル戦後、選手たちはハリルホジッチ監督にプレスを仕掛ける位置やタイミングについて質問を投げかけたという。それに対する指揮官の答えがこれだ。

高い位置から仕掛けるのか、それともミドルゾーンで奪いに行くのか、低い位置で引いてブロックを作るのか。「プレッシングは組織プレー。ゲームの読み、戦術、チームへの献身性がなければできない」と語るハリルホジッチ監督が重要視すること。それが選手間のコミュニケーションである。

チームはブラジル戦後にかなりのディスカッションを繰り広げ、指揮官はピッチ内での的確な判断とコミュニケーションを選手たちに求めた。とにかく攻守に素早い状況判断が求められる中で必要になるのが、選手間の意思統一だ。ピッチの11人全員が同じものを見えているわけではないだけに、仕掛けるタイミングを周囲とすり合わせてフォローしなければならない。つまり試合展開を見ながら、相手の特徴をつかみながら、ピッチ内で判断することが求められる。そこをいかに共有しながらプレーできるかだ。

かねてから「静かな選手が多い」ことを危惧してきたハリルホジッチ監督だが、そこをピッチに立つ選手がどう打ち破れるかも世界で結果を出せるかどうかの大きなポイントとなる。しかも今回は長谷部誠が別メニュー調整中で欠場濃厚。チームをけん引してきたキャプテンが不在となれば、より一層全員で声を掛け合わなければ、そして助け合わなければ、ベルギー相手に結果を出すことは難しくなる。

ベルギー戦を控えた前日会見の冒頭、ハリルホジッチ監督は「今回も世界トップクラスとのチームとの対戦。大きなテストがまた始まる。我々の長所、弱点がさらに見られ、どの方向に向かって進化すればいいのかが分かる試合になる」と話している。このベルギー戦では世界を相手に戦える選手、コントロールできる選手を見極め、さらに戦い方もブラッシュアップしていくことになる。

自分がダメでも次の選手が奪えるように全力を尽くす。そして自分の声でチーム全体を生かすーー。これこそがハリルホジッチ監督がいつも口にしてきた「犠牲心」という言葉の本質なのだろう。まさに“One for All, All for One”の精神。全員一丸になって耐え忍び、みんなで話し合い、工夫して勝利を手にする。ここにこそ日本人の良さがある。

選手として、チームとして、ブラジル戦で感じた“世界”をベルギー相手に試すことができる。2試合あるからこそできる意義のあるテスト。ようやく世界で結果を出すための具体的なステップに入ったハリルジャパンにとって、今回のベルギー戦は多くの意味で本大会に向けた大きな分水嶺となりそうだ。

文=青山知雄

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最終更新:11/14(火) 19:13
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