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<改憲日程>与党で神経戦 協議誘う自民、公明は警戒

11/14(火) 21:29配信

毎日新聞

 国会での憲法論議の再開を前に、与党間でさや当てが始まった。公明党と改正案をすり合わせて国会審議をスムーズに進めたい自民党に対し、公明党は早々と土俵に乗せられることを警戒。幹部から慎重論が相次ぐ。自民党が我慢できるか、公明党が歩み寄るのか。神経戦は当分続きそうだ。

 安倍晋三首相は5月の憲法記念日に、改正憲法の2020年施行を目指す考えを表明した。しかし、自民党が圧勝した衆院選後は「スケジュールありきではない」と繰り返している。

 もちろん、改憲への意欲が薄れたわけではない。自民党は首相の意向を踏まえ、9条第1項(戦争放棄)と第2項(戦力不保持)を維持しつつ、自衛隊の存在を明記する改憲案を年内にもまとめ、来年の通常国会に提出する方針だ。

 ただ、9条改正に慎重な公明党を置き去りにすれば与党に溝が生じ、首相の政権運営に影響する。そこで、衆院議員引退後も留任した高村正彦副総裁を窓口に、公明党との接点を探ろうとしている。

 自民党憲法改正推進本部長に就任した細田博之前総務会長は10日、毎日新聞のインタビューに「公明党が少なくとも賛成する内容にしなければならない。『まあいいでしょう』という線を出さないと物事はぎくしゃくする」と答えた。

 自民党が公明党に配慮するのは「急がば回れ」と考えているためだが、同時に、19年の統一地方選と参院選をにらんだ実利的な事情も透ける。同じ改憲勢力の希望の党や日本維新の会は自民党にとって、公明党に妥協を促すための「保険」の域を出ない。

 一方、衆院選で議席を減らした公明党は9条改正で自民党に簡単には譲歩できない。公明党憲法調査会長を務め、高村氏とパイプのある北側一雄副代表は9日の記者会見で「事前に与党協議する類いの話ではない」と明言。来年の通常国会に同党の改憲案を提出する予定はないとも述べ、自民党が描くスケジュールと一線を画した。

 山口那津男代表も12日放送のラジオ日本の番組で「発議の背景には、それ以上の国民の支持がある状況が望ましい」と指摘。衆参各院の3分の2の賛成で改憲案を発議しても、国民投票でぎりぎり過半数の賛成だと「大きな反対勢力が残り、国民の憲法としては不幸な誕生になる」と自民党をけん制した。

 自民党憲法改正推進本部は16日に全体会合を開き、改憲案のとりまとめに動き出す。党内には石破茂元幹事長らに9条第2項削除論があり、ハードルは公明党だけではない。【田中裕之、木下訓明】

最終更新:11/14(火) 22:28
毎日新聞