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「カノークスの経営戦略」〈木下社長〉=加工・物流の機能強化

11/14(火) 6:01配信

鉄鋼新聞

 鉄鋼商社のカノークス(本社・名古屋市)は、内需の穏やかな回復が進む中、関東、東北などを中心に新たなニーズが見込める分野の需要掘り起こしを推進。また、顧客に近づいた加工・物流機能の強化策を進めるなど、時流に乗った敏速な対応策を講じる。木下幹夫社長に現状と展望、足元の経営課題などを聞いた。(片岡 徹)

――足元の事業環境をどうみるか。
 「自動車関連は堅調。また、自動車以外の鋼管建材の分野もそれほど悪くない。物流倉庫などが出てきているし、インバウンド効果もありホテル建築案件なども増えている。東京五輪関連の需要も、ようやく出てきた。今後2年程度は、需要は堅調だろう」
――人手不足などが需要の急回復に歯止めを掛けている感じもあるが。
 「やはり深刻。建築設計者、現場作業者、鉄骨加工業などでも人手が足りない状態が続いている。また、残業時間の見直しも、仕事量との関係でいえば制約条件になる。さらに人手不足が物流コストの上昇にもつながっている」
――仕入れ価格も上昇しているが、価格転嫁の進ちょくなどは。
 「鋼板でも、一部サイズに品薄感が出ている。今後さらに需給タイトになることが予想される。販価は、順次転嫁を進めているが、まだ十分ではなく、転嫁に向けた努力が必要」
――下期の課題は。
 「関東地域でのマーケット開拓が最重要課題。主に鋼管建材分野の拡大。人材を集中的に投入し、若手を中心に機動力を持たせ、人材育成の契機にもしている。関東では現在、自動車関連が売り上げの5割、非自動車分野が5割。今後、鋼管建材分野の売上比率を高めることにしている」
――五輪関連の案件受注はどんなものを目指しているか。
 「直接五輪関連施設などを受注することはないが、五輪需要で間接的に出てくるものであるとか、関東圏でこなせない業務を他地区の加工会社とコーディネートする仕事が考えられる」
――自動車分野の課題は。
 「引き続き徹底した顧客管理が重要。きめ細かな対応、情報収集、迅速なフットワークなど当社の持ち味を生かした営業力の向上がカギになる。足元では、東北地区でのお客様のニーズに対応するため、子会社で鋼管の加工を手掛ける『カノークス北上』のさらなる機能強化を図る」
 「また、他商社との差別化を進め、ワンストップサービスのさらなる向上、加工・物流機能の強化などに取り組んでいきたい。その一環として、コストセンターである加納物流センターに鋼管建材分野の受注業務を一部移管するなどしている」
――現地・現場を知る貴社にとっての「顧客ニーズへの対応」とは。
 「お客様との信頼関係をさらに高めるため、お客様の金型を一時的に預かるサービスや、アルミ、副資材などの提供を通じ、ニーズに即した販売対応を進めたい」
――空見スチールサービスの機能強化策などは。
 「中長期的な需要減が予想される中、2014年に策定した『新経営計画』も完了し、設備集約や耐震性能向上、効率化などが実現した。引き続き品質・生産性・デリバリーなどの機能を高め、お客様に信頼されるコイルセンターを目指してもらいたい」
――関東、東北以外の地域戦略は。
 「関西地区も需要は回復傾向にあるので、機動力を発揮して受注拡大、新規開拓などを推進できる体制をつくりたい」
――取引先との連携強化やM&A策などは。
 「協業関係にある取引先とは連携の輪を深めていきたい。M&Aについてはいくつか話が出たが、具体的なものは今のところない。今後も当社にとってベストと思われる話があれば、前向きに考えたいしそれが既存顧客のプラスになるものであれば、真剣に検討していきたい」

最終更新:11/14(火) 6:01
鉄鋼新聞