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銘柄ジビエ おおち 山くじら 信頼の証し 「現地で確認」徹底 適正駆除、資源保護も 島根県美郷町

11/14(火) 7:02配信

日本農業新聞

 研究機関や食肉販売業者などと連携し、獣害対策と併せてイノシシ肉の出荷を商業ベースに乗せている島根県美郷町は、独自の捕獲奨励金制度で全頭現地確認を徹底している。手間のかかる現地確認を行うことで、生息数を正確に把握して効果的な対策を打ち、資源の有効活用につなげる狙い。不正受給問題で国の補助金の交付ルールが来年4月から厳しくなる中、先進事例として注目される。

 島根県美郷町は、「おおち山くじら」のブランドイノシシ肉で知られる。同町の狩猟者らで構成する「おおち山くじら生産者組合」は、年間約400頭を生きたまま処理施設に運んで良質な精肉に仕上げ、ジビエ(野生鳥獣の肉)として首都圏にも販路を広げている。

 2004年に美郷町として合併した旧邑智町ではかつて、捕獲奨励金の不正疑惑が持ち上がっていた。近隣自治体のイノシシ捕獲数が横ばいだった1999年度、同町では捕獲が急増し、過去最高の732頭を記録した。近隣自治体は個体の現地確認をしていたが、同町は尻尾の提出で済ませていた。奨励金を受け取れない狩猟期に捕獲した個体の尻尾を、4月まで冷凍保存して持ち込んでいた可能性が高いという。

 そこで次年度は現地確認に切り替えたところ、捕獲は299頭に激減。月別頭数で見ると、99年度は4月に89頭、5月に67頭捕獲されていたが、2000年度は4月がゼロ、5月が7頭だった。現場確認に切り替える際は猟友会から反発もあったが、理解を求めた。

 現在は捕獲した農家らから連絡を受けた町職員が、現地に出向き捕獲を確認する。邑智町時代から確認に携わる美郷町産業振興課の安田亮課長補佐は「負担は増すが、被害を減らすという目的を達成するためには、正確な統計を取って対策や事業に生かす必要がある」と強調する。

 今年度40頭ほど捕獲した品川光広さん(61)は「不正はあってはならないことで、誰もが現地確認は必要と思っている」と理解を示す。

 正確な数字を積み重ねることで、獣害対策も講じやすくなった。通常は6、7月に増える子イノシシだが、今年は8月後半から増加していたことが分かった。この時期に農作物被害が出やすくなるため、町はわなの管理などを改めて呼び掛けた。

 捕獲を進め過ぎたことで、食肉用が足りなくなる事態も他県では起きていることから、有害個体だけを捕獲するよう指導。被害対策と利活用を両立させている。

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最終更新:11/14(火) 7:02
日本農業新聞