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坂本龍一、JASRACに苦言 「襟を正して透明性の確保を」

2017/11/14(火) 11:13配信

BuzzFeed Japan

小さな映画館も一律でいいのか

――では発表を知って、寝耳に水の部分もあったのですね。

そうですね。事前の情報はまったくなかったので。

一足跳びに海外のスタンダードにすれば、弊害も出てくるでしょう。小さな映画館はつぶれてしまうかもしれない。

一口に映画館といっても、製作会社とリンクした大きな会社もあれば、個人でやっているような小さなところもあるわけです。そこに一律で同じ条件を当てはめていいのか、難しい問題です。

日本独特の映画ビジネスの実情もあるでしょうし、劇場だけが負担すべきなのか、製作者などが支払うべきなのか、僕にはそこまではわかりません。

JASRACと映画関係者とで、よく話し合う必要があるのではないでしょうか。

母にだっこされ見たフェリーニ

――坂本さん自身、映画館には思い入れがありますか。

4~5歳のころ、母親にだっこされながらフェリーニの「道」を見たのが、映画館についての一番最初の記憶かな。

暗いところに長い時間いて、別に楽しくはなかったんですけど、妙に音楽がこびりついて。後からラジオでテーマ曲を聴いて「あ、あの時の曲だ!」とすごく嬉しかった思い出があります。

その時の体験はいまでも強く生きていますね。

高校生の3年間は、人生で一番たくさん映画を見た時期でした。3本150円とかの安くて小さい映画館ばっかりですけど(笑)。大島渚さんやフェリーニ、ゴダールなんかの作品をよく見ていました。

新宿の名画座とか、ヤクザ映画ばかりかけている映画館だとかに、毎週のように出入りしてましたね。

個人的に、小さな映画館への愛着はとても深いです。

JASRAC一極支配に異議

――坂本さんはJASRACに対して、以前から厳しい指摘をしてきました。

JASRACの一極支配に対しては、90年代から主張をしてきました。僕らミュージシャンたちが声をあげたこともあって、一極支配が崩れ、ほかの著作権管理会社が生まれた。そういう自負はありますね。

著作権には演奏権や録音権、貸与権などの「支分権」があります。僕の場合、新規楽曲については演奏権のみJASRACに委託していますが、演奏権以外の支分権は新興のNexToneに委託しています。

(※NexToneはEXILEやONE OK ROCK、ゴールデンボンバーなどの楽曲を取り扱っている新興の著作権管理会社)

かつては著作権管理団体はJASRACしかなくて、支分権別の管理もできなかった。街に一軒しかレストランがなくて、しかもコースメニューしか頼めないような状況でした。

いまはレストランが増え、アラカルトも頼めるようになった。やっと主張が実現したわけです。

ですから、JASRACに加勢しているということはまったくありませんし、JASRAC側からみれば、むしろ「坂本は離反している」ということになるでしょうね。

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最終更新:2017/11/21(火) 15:11
BuzzFeed Japan

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