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外食厨房にも人手不足の波 「カット野菜」が引く手あまた

11/15(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 生産年齢人口(15歳以上65歳未満)の減少で深刻な人手不足。業務のAI化やセルフレジなど関連ビジネスが盛んになっているが、実はカット野菜もそのひとつだ。

「埼玉フーズ」(埼玉県川越市)はカット野菜の工場を新設し、生産量を現行の15トンから30トンに倍増する。所沢市に10億円を投資し、来年末に完工予定だ。5年後には売上高を現在の2倍、50億円を目指すというから、なかなかチャレンジングな計画だろう。

「まだまだ目標ですよ」と慎重な姿勢の同社の柿沼丈晴専務は、新設の背景をこう説明する。

「もともとカット野菜は業務用でしたが、東日本大震災後、『便利だ』ということで、一般消費者にも広がっていきました。現在、一般消費者向けが引き続き堅調な上、人手不足から、外食やスーパーの厨房など、業務用の引き合いが増えています」

 野菜を仕入れ、カットする人がいない。そこで、あらかじめ切られ、小分けされたカット野菜で乗り越えようということだ。埼玉フーズは、20種類の野菜を取り扱い、トン単位の大ロットだけでなく、10キロ程度の小ロットにも対応。少量、多品種を即納できるので、小規模な外食店にも重宝されている。

 経済ジャーナリストの井上学氏が言う。

「外食やスーパーの厨房では、野菜のカットは料理前の仕込みになります。主婦がパートでやるケースが多い。1日数時間程度、比較的簡単な作業です。これまで人が集まらないなんてことはありませんでしたが、今は難しい。それだけ人手不足が深刻ということでしょう」

 現在、外食産業などで、業務用のカット野菜はそれほど普及しているとはいえない状況だ。人手不足も容易に解消するものでもない。

「確実な、大きな需要が潜んでいると考えていいでしょう。ただ、当然供給側のプレーヤーも増えていくでしょう。そうなると、差別化が難しいアイテムなので、価格競争になってしまう。価格に加え、素材にこだわるなど、付加価値がつけられるか。決して簡単なビジネスではありません」(井上学氏)

 注目のマーケットだ。