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ソフトバンクはファンを喜ばせ続けているか?

11/15(水) 11:43配信

日刊スポーツ

<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム:CATCH!!>

 ちょうど10年という月日が流れた。西鉄の元大エースだった稲尾和久氏(享年70)がこの世を去ったのが07年11月13日。霊安室に眠った鉄腕の顔は苦しみもなく安らかに見えた。「おい、オレは死ぬのか?」。付き添った最愛の律子夫人が耳を口元に近づけ稲尾氏はそう言った。「何を言ってるんですか」と返す律子夫人に、声を絞り出すように「ありがとう」と言った。最期の言葉だった。

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 律子夫人も4年後、鬼籍に入った。今は2人、向こうで夫婦むつまじく暮らしているのだろう。入院から2週間ほど。あっという間の「急逝」だった。

 博多のエースが、全国のエースとなって「神様、仏様、稲尾様」になった。「プロ野球人のボクは人を感動させることができますか?」。知り合いになった作曲家の浜口庫之助氏に若き稲尾氏は聞いた。「何を言っているんだ稲尾くん、当たり前だろう」。歌なら人が口ずさんでくれる。投球はどう感動を呼ぶのだろう? そんな疑問を感じていたとき、浜口氏の言葉に勇気づけられた。

 「おい、超一流になるには、ファンを喜ばせ続けなくちゃいけないんだ。一流と超一流の違いは技術もさることながら、そこなんだ。もっともっとファンを喜ばせなくちゃいけないんだ。自分の成績と闘っているんじゃないんだ」。稲尾の「プロの教え」だった。

 2年ぶりに日本一に輝いたホークスは今、宮崎で秋季キャンプを張っている。若手を中心に工藤監督が陣頭指揮を執って「体力強化」が図られている。もちろん、キャンプは練習第一。でも、ファンには楽しみが少ないように感じた。12日の日曜日。多くのファンが訪れた。日本一になって約1週間。凱旋(がいせん)キャンプだ。工藤監督は室内練習場に約4時間もこもって選手を指導した。見学できる場所でなくファンとの接点は少なかった。ちょっとさびしい光景だった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

最終更新:11/15(水) 12:00
日刊スポーツ

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