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元大臣も称賛!?「何でも治る」治療器の社長、根拠論文は「ない」 厚労省「そう言っているなら、アウト」

2017/11/24(金) 7:01配信

withnews

 がん、認知症、うつ病、リウマチに「効果あり」…!? 社長自ら「治らない病気はない」と語る電子治療器が11月上旬、東京・板橋区長が実行委員長を務める産業見本市に登場しました。会社のサイトには、かつて厚生労働大臣を務めた坂口力さんの名前で「国を挙げて研究に着手すべき」と称賛するような文章が載っています。いやいやそんな夢のような話、さすがに信じがたいのですが…。と思い、調べてみました。(朝日新聞・長野剛記者)

【写真】元大臣も称賛!? 「何でも治る」触れ込みの治療器は本当? 出展した会社を直撃

板橋区の見本市に出展

 その治療器、「ドクターイオン3D」という名前で11月9~10日、「いたばし産業見本市」で公開されていました。出展したのは区内にある理研プロジェクトという会社です。「理研」という名前ですが、有名な研究所、理化学研究所と直接のつながりはないようです。

 私にこの話を教えてくれた板橋区議、松崎いたるさんによると、会場になった体育館に設けられたブースで実際に「治療」も行っていました。松崎さんから頂いた写真では、ボードの説明に、がんやうつ病、認知症などの病名を明記し「特に医療機関で治せない難病に効果あり」と書かれています。

 松崎さんが現場で「効果効能をうたうのは違法じゃないのか?」と聞いたところ、「私たちの機械は本当に治せるので違法ではない」と回答。さらに「厚生労働大臣だった坂口力さんが認めたものだから大丈夫だ」とも言われたそうです。

会社を訪問

 薬機法(旧薬事法)は、医療機器などについて「虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない」と言っていますし、医師法では「医師でなければ、医業をなしてはならない」となっています。

 しかし、これだけおおっぴらにしている以上、何か考えがあるんじゃないか。そして、効果に関しても何か、根拠があるのではないか。そう思い、理研プロジェクトを訪ねました。

 小さな通りに面した社屋には、「理研整骨院」という看板が掲げられ、その脇に「理研プロジェクト」の社名が書いてあります。迎えてくれた野中進社長はまず、メーターやつまみがいろいろ付いた弁当箱を二回りほど大きくしたような装置を見せてくれました。

  これは「タカダイオン電子治療器」というもので、見本市に出品された装置は、これと他の二つの装置を接続したものだそうです。長崎県の会社が作っており、理研プロジェクトはこの「タカダイオン」の販売に加え、これを使った「治療」を行っているとのことでした。

 装置から伸びたコードの先には、丸いゴムの円盤が付属。円盤からは毎秒1869億個のマイナスイオン、もしくは電子が出るそうです。それを患者の体に当てて「治療」するとのことでした。

 この機械で「治らない病気はないんです」と野中社長は説明しました。治らないものは「まだ私たちが治せないだけ」とも付け加えましたが。

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最終更新:2017/11/24(金) 7:01
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