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組事務所使用禁止で住民「恐怖が薄れた」

11/22(水) 18:34配信

福井新聞ONLINE

 福井県敦賀市の暴力団正木組と、福井市の暴力団宮原組の事務所に使用禁止の仮処分決定が出て20日で1カ月がたった。組事務所周辺の住民によると関係者の出入りは減り、「怖さが薄れた」「一安心」との声が聞かれる。福井地裁に仮処分を申し立てた県暴力追放センターの代理人弁護団によると、両暴力団から不服申し立ては出ておらず、弁護団は決定違反がないか厳しく監視を続けている。

【写真】仮処分の公示書を貼る執行官

 敦賀市の繁華街にある神戸山口組系の正木組事務所(同市)は、使用禁止を命じる公示書が扉に張られたままになっている。複数の住民によると、以前は組員とみられる男が出入りし、周囲を警戒するようにうろついたり、県外ナンバーの車が多数集まったりする様子が見られたが、決定後はほとんど見掛けなくなったという。

 近くの男性は「事務所への発砲事件が起きて以降、巻き添えに遭うかもしれないと怖かった。使用禁止になり一安心。この状態が続けばいい」と期待する。

 福井競輪場近くの市街地にある山口組系の宮原組事務所(福井市)では、「六代目宮原組本部」と書かれた表札が個人名に代わり、公示書は張られたまま。住民らによると、関係者の車も減ったという。近くの主婦は「事務所前を通らないよう回り道をしていたが、今は怖さが薄れ、前を歩けるようになった」と喜ぶ。

 ただ、車の出入りがあったり、夜間に明かりがともっていたりし、両事務所とも完全に空になったわけではないとみられる。正木組の近くに住む女性は「暴力団事務所があるとイメージが悪くなり、商売に悪影響が出ていると聞く。完全に立ち退いてほしい」と話す。

 全国の暴力追放センターが住民に代わって仮処分を申請し認められたケースは、福井地裁のほかに4件ある。

 今年3月に決定を勝ち取った神奈川県のセンターは、違反した場合に1日100万円の制裁金を課す「間接強制」を裁判所に申し立て、9月に認められた。弁護団の1人は「決定を守らせるよう強い姿勢で臨んでいる。違反があれば積極的に金銭請求していく」とする。

 決定後、別の場所に事務所を移したケースもある。昨年9月に全国で初めて決定が出た福岡県では、翌10月に暴力団側が事務所を解体・撤去した。その後、同じ山口組系列の事務所に移ったが、学校から200メートル以内にあるため県条例違反で摘発され、立ち退いた。福井県の条例も学校の200メートル以内では新規開設を禁じている。

 今年10月、全国で初めて指定暴力団の本部事務所に使用禁止の仮処分決定が出た神戸山口組は、兵庫県淡路市の本部を「閉鎖した」としているが、神戸市内の事務所が新たな拠点になっているとの情報もあり、警察が推移を注視している。

 福井県暴力追放センターの代理人弁護団はこうした他県の例も見ながら、強い決意を持って取り組む方針。弁護団長の北川恒久弁護士や事務局長の井上毅弁護士は「決定に違反していないか監視を続けていく。違反が確認された場合は、間接強制も視野に入れていく」と力を込める。